塾歴社会の行方【02】中学入試か中学受験か
☆Wが、開成に力をいれているのだろう、Nと合わせておそらくSに肉薄することになるのかもしれない。
☆もしNが中学入試の地平をつくり、SとWが中学受験の覇権争いでしのぎを削るということになると、開成は中学受験の枠組みに否応なしにはいってしまう。
☆武蔵も同じ傾向になるが、一方麻布は、中学入試の地平を創ろうとすれば、中学入試の地平のシェアと中学受験のシェアの葛藤を内包することになる。塾歴社会を学内で転換できる環境になる。これは栄光も同様だ。
☆いわゆる女子御三家は、特に広報活動も活発でないため、いつの間にか中学受験にどっぷり浸ってしまい、塾歴社会を脱することはほぼできなくなっている可能性が高い。
☆豊島岡女子もそうだ。かろうじて鴎友学園女子とフェリスは、麻布と同様の環境ではある。
☆女子校冬の時代の原因は、少子高齢化や共学化のトレンドもあるが、女子校の階層構造、つまり中学受験から中学入試へシフトできない女子校自身の問題もある。この階層構造の悪循環を断ち切るには、和洋九段女子のように異次元の女子校改革に挑むことだろう。
☆もっとも、Nが仮にではなく、本当に中学受験ではなく中学入試の地平を開いたらの話である。
☆そういう意味では、海城がSNWの合計のシェアが定員の50%を切っているから、塾歴社会の雰囲気を自浄作用で払拭できる。もっとも、Sが海城の2回目の合格数を発表したらどうなるかわからないが。
☆いずれにしても、上記表以外は、中学受験から中学入試にシフトしようと思えばできる学校ばかりになるから、中学受験は8000人市場で、中学入試市場は32000人規模ということに明快になっていく可能性が高い。
☆従来は、その差異を意識してこなかったために、本来中学入試市場なのに、自らを中学受験市場の中に投げ込み、一次元偏差値の階層構造で苦しんでいたということがはっきりしてくれるのではないだろうか。
☆とにもかくにも、麻布が中学受験市場から中学入試市場の地平へシフトしてくることを祈るばかりである。そして、海城や21世紀型教育校と未来を創る新しい政治経済社会を構築する人材を輩出することを。
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