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世界の創り方【04】World Making System 三田国際の場合

☆World Making Systemという学びの循環は、外から見ていると全貌はみえにくい。たいていは、体験系の循環で終わっているし、教科というKNOWLEDGEと部活や行事が中心。それで十分満足する生徒もたくさんいるし、大学合格実績も出せる。

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☆これを20世紀型教育という。かつては、ある意味、これで十分だった。その中でグローバルな視野が必要だと強く感じた学校は、海外研修やTOEFL講座など先行的にグローバル教育(当時は国際理解教育と呼ばれていたが)を実施した。20世紀型教育に比較すれば、相対的に21世紀型教育の先駆けだった。

☆しかし、現在の三田国際に代表されるように、先鋭的な21世紀型教育は、この体験系に、高次思考がリンクしている3X(explore, exchange. express)Learningを実施している。この循環系をPBLと呼んでいる。もし高次思考が自覚されないまま3Xが行われているとしたら、それをアクティブラーニングという。

☆ここの循環系は、外からなかなか見えないし、学校側もパンフレットやサイトで表現しにくいところだ。ところが、入試問題を見れば、思考力型問題を出題したり思考力入試を実施しているところは、高次思考を内包した3X型の授業をやっているだろうということがおよそ推測できる。

☆また、論集など編集しているとなると、この推測はかなり信頼性がでてくる。麻布などの入試問題や論集、そして土曜日の教養総合講座などをみれば、確信に変わるだろう。

☆しかし、麻布はおそらくWrold Intelligences Platform(WIP)は設置していない。カリキュラムマネジメントシステムはないだろう。もちろんカリキュラムマネジメントは教師が個々にしているだろうが、それはブラックボックスのままだろう。

☆ところが、三田国際の場合は、WIPがちゃんと存在している。体験授業などを見ていると、ときどきGoogle Driveなどを活用しているのがわかる。また、情報施設もWifyを飛ばしながら、自在に世界につながる環境になっているのも、すぐにわかる。そして、生徒1人1台のタブレット環境である。

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(首都圏模試センターサイトから)

☆これだけだと、3X型授業が実にやりやすいということはわかるが、カリキュラムマネジメントシステムが構築されているかどうかはわからない。しかし、首都圏模試センターの同校取材記事に、上記のようなルーブリックがデザインされていることが載っている。これはいわゆる各教科や単元のルーブリックではない。上記のルーブリックは「メタルーブリック」で、各単元などのものは「ローカルルーブリック」と呼ばれる。

☆工学院や首都圏模試センターは、この「メタルーブリック」のことを「思考コード」と呼んでいる。ともあれ、このコードが存在することによって、生徒は自分の学びや思考の過程がどの次元まで広がっているか認識できる。学びの戦略を練る時に極めて重要な視点。

☆しかも、クラウド上に過去の履歴がポートフォリオになっているから、自らの学びをいかに再編していくのか振り返ることができる。「主体的」という言葉は、教育の世界で最も重要視されてきたキーワードだし、キーコンピテンシーだろう。

☆しかし、主体的に戦略を立てるデータがない状態で、「主体的」になりなさいというのは、ほぼ精神注入棒のような言説に過ぎなかった。学びの習慣というルールに縛られた「主体性」は主体性なのだろうか。

☆今やスポーツの世界は、綿密なデータを集積して分析して試合に臨むではないか。学びも同じなのである。その集積と分析の上に瞬発力や創造力、柔軟性、直感力が生まれるのである。

☆さて、「思考コード」は、生徒の学び方の地図であるだけではなく、教師の教授法の質や作問の質を向上させるヒントにもなる。

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☆毎年秋に、同校は学校説明会で、入試問題の分析を冊子にまとめて配布する。それに基づいて生徒は対策を立てる。一方教師は、結果を分析して、作問の意図を検証する。上記のデータで、分野別と出題形式別になっているが、注目すべきは「出題形式別」である。これは「思考のフォーム」ということで、上記のメタルーブリックの横軸に対応する。

☆実は分野別だと、大さっぱな戦略しかたてられない。というのも、分野と形式がクロス集計されない限り、本当のところ強み弱みを絞りきれないのだ。

☆学校説明会の冊子では、クロス集計までは見せていないが、上記のように両方のデータが公開されているということは、一問ごとに「メタルーブリック」の識別がカテゴリー分けされているということ。つまり、思考コードナンバーが振られているということだ。

☆おそらくグーグルフォームなどで、簡単に集計しているのだと推測できる。いすれにしても、カリキュラムマネジメントシステムによって、生徒1人ひとり
の学びの戦略が立てられるようになる。自分のやりたいことを実現するには、どこまで思考の次元を高めていくのか、知識の体系を広げていくのか。

☆自分の学びの足場を認識し、あるときは仲間と共有して補い合い、教師と具体的な未来を語る対話ができるようになっている。合理的なところはシステムとして徹底することで、感性や感情を耕す対話の時間や探究の時間を生み出すことができるのである。

☆なぜ偏差値を超えることができるのか、それはこのカリキュラムマネジメントシステムによって、具体的な学びの方法とその経緯をそのつど振り返ることができるからだ。

☆三田国際が、体験主義的な学びをやり、ただひたすら偏差値の高い生徒を獲得しようとする学校に比べ、満足度と最適化のバランスが良いのである。やがて、sのような学校を追い抜いていくだろう。

☆もっとも、今でも三田国際の偏差値は高くなってしまっているのだが。

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