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2017年大学入試問題の季節【01】いまマインド反映する慶応大学小論文

☆今年もすでに大学入試が始まっている。東大推薦入試や京大特色入試の合格発表も話題になり、いよいよ国立大学という大学入試のピークに向かっている。この時期、各予備校では、競って入試問題の速報を流しているが、昨今は、2020年大学入試改革に向けて、大学当局がいったい何を意識して入試問題を出題しているのかウォッチングのし甲斐のあるときでもある。

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(慶應義塾大学経済学部の2017年小論文問題)

☆今年の慶応大学の経済学部の小論文は、ソクラテスのススメのような文章を読んで、ソクラテスの議論の仕方、要するにソクラテス的な対話法について、まとめる問題と、その対話によって組織というものはどのように変質するのか論じる問題。

☆世の中アクティブラーニングだとか哲学教室だとか、PBLだとか話の花が満開であるが、意外とその根源的な出発点であるソクラティックメソッドについてきちんと学んでいない。要するにプラトンンの対話編「メノン」あたりを読めばよいのだが。

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☆いずれにしても、支配―被支配のピラミッド型組織から互いに学び合う学習する組織にパラダイムシフトしている今の時代の精神をきちんと反映したすてきな問題。ハーバーマス的に言うなら、戦略的コミュニケーションから生活世界的コミュニケーションへということだろう。

☆そんないつの時代の思想だといわれるかもしれないが、ソクラテスにしてもハーバーマスのコミュニケーション論にしても、21世紀前に誕生したものだ。だからそういわれるのもわからないわけではないが、良質の思想は時代を超えるし、その思想が時熟して、ときに現実世界に顔をあらわすときもある。

☆おそらく今がその時なのだろう。

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☆慶応SFCの総合政策の小論文も実におもしろい。糖尿病と年収の相関や因果関係を生物学や医療、社会学などの領域のデータやテキストを読み解きながら、図式化、もしくは数式化し、最終的に言語化する。見える化、測る化、ことば化ということ。

☆思考スキル、思考コード、世界コード満載の大学入試問題である。もちろん、慶応の小論文の思考レベルは、高次思考≪higher order thinking≫で、要約で終わる低次思考レベルをはるかに超えている。

☆もちろん、慶応のこの傾向は今までと変わらないが、ソクラティックメソッド、プログラミング思考(図式化・数式化)、多様な表現力という思考力の軸が鮮明になっているのは、いまマインドが反映しているといえるのではないか。

☆それを意識して出題したかどうかはわからないが、慶応大学が現在立っている知の最前線が、そこにあるということだろう。

☆そして、高大接続システムという観点からいえば、「対話的・主体的で深い学び」という新学習指導要領のキャッチフレーズにもマッチングしている。

☆こういう問題なら、家庭の夕食時に大いに話題にしてもよさそうだ。もっとも、節制したら糖尿病予防だけではなく、出世して年収増につながるかもしれないなんて議論になったら、ちょっと辛いかもしれないが(汗)。

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