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2017年度東京・神奈川中学入試【20】 中学入試革命(7)思考コードで桜蔭の記述・論述問題の戦略が立てられる

☆麻布や桜蔭の記述・論述問題は、高次思考を要するから、今までは、このような学校にチャンレンジする生徒が特別にトレーニングする領域だった。しかし、思考力入試の広がりによって、1次元偏差値では測れない多次元偏差値の領域をどんな生徒も学べる機会が到来した。

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(2017年度桜蔭の国語の中学入試の解答。200字の論述だけではなく、ほとんどが記述。この傾向は変わらない)

☆たとえば、桜蔭の1番目の素材文は吉村萬壱さんの「生きていくうえで、かけがえのないこと」だったが、問3の「頭の中の思い込み」を具体的に説明する問題は、ほぼ要約説明で、「具体化」という条件があるから「B1思考力」で対処できる。

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☆問4は、書き抜きで「置き換え」問題なのだが、ちょっと難しい。というのは、傍線から200字以上超えた箇所にある言葉を書き抜くのは、段落構造を理解しながら読んでいかないと見つけにくい。この問題もそうだから、知識理解の領域と言えども「A2思考力」を必要とするだろう。

☆問5は、「こちら側の世界にない宝」とは何か?その宝を持ち帰られる人は誰か?という問い。これも要約説明であるが、表現の仕方がかなり難しい。今までは、おそらく難度が高いから、何度も書いて、先生に見せて、合格答案に到達するまで書き直すという経験的トレーニングが多かったと思う。

☆これだと、たしかに、桜蔭をチャレンジする生徒しかトレーニングをしなくてよい。しかし、これは、「思考コード」を足場として、「B2思考力」をどのように配列的表現から入れ子型表現に変容させるのかという「B3思考力」の視点をメタ的に意識するかどうかで、たんなる経験的トレーニングから論理的思考へ移行できるトレーニングになる。

☆ここは感性ではなく、論理的にとなるわけだから、誰でも取り組むことができるようになる。もちろん、スコアの高い解答にするにはトレーニングは必要だが、まったく歯が立たない生徒と感性で解ける生徒という分断線は消すことができる。

☆工学院や聖学院、かえつ有明の思考力入試は、B2思考力の問題を考えた上で、B3やC領域の思考力に飛ぶから、誰でもがチャレンジできる。B2領域を経て、B3やC領域にいけるのなら、中高で格段に飛躍する可能性がある。いきなりB3やC領域の問題ができなくても今はいい。

☆桜蔭の2番目の素材は、竹西寛子さんの「木になった魚」。タイトルからわかるように、主人公である少女の「向こう側の世界」に開かれていく不安と喜びの葛藤が描かれているが、おそらくこの少女とは小説家であり歌人でもある竹西さんのことだろう。吉村さんの作品のテーマに密接に関係があり、作品は違うけれど、共通点があるテキストを並べて出題するというのは、桜蔭ならでは。しかもかけがえのないものや愛がテーマになっている素材は桜蔭が好む題材だ。

☆それはともかく、5つの問いすべてが記述の問題。最後の200字の記述は、80%は文章の中に書かれているものを要約するが、あとの20%は推論しなくてはならない。クリティカルあるいはクリエイティブシンキングが必要。

☆もっとも、論理的にはいくつかの要素を配列するだけで、入れ子に変容する必要はないので、B2思考力とC1思考力で対応できる。

☆いずれにしても、桜蔭の攻略のためには、「B2思考力」をトレーニングしておくことが重要だということ。あとは筑駒の詩の問題でC領域はトレーニングしておきたい。

かように、「思考コード」があると、地頭が特になくても、考える中身を創出したり表現のスキルを体得したりする足がかりを、生徒自身といっしょに見いだすことができる。

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