2018年中学入試のベクトル【02】 生徒は2030年の世界でいかに生きるのか。
☆それと中学入試がどう関係するのか?世界に通用しない尺度である一次元偏差値準拠の「中学受験市場」では関係ないのかもしれない。しかし、グローバルな気づきがこれから必要なのは、言うまでもない。学校現場では、身近な問題が、実は世界の痛みにつながっているというグローバルな気づきを重視している。少なくとも21世紀型教育を実践しているところはそうだ。
☆フクシマの問題もヒロシマの問題もそうだ。そうであるならば、知識・理解ベースの思考力で解決できるはずがない。どうしても、学習指導要領は抜本的に変えなければならない、ところが、アクティブ・ラーニングや4技能英語を導入したところで、それだけでは抜本的な改革にはならない。
☆そこで、どうしても明治維新の時のように私学が立ちあがり先行しなければならないという歴史的必然の波が押し寄せてきている。2020年大学入試改革も学習指導要領も根底にあるのは、グローバルな痛みを共有し解決する知の立ち上げ。しかし、その思いは実現へ向けて当面パワフルにならない。
☆それでは、今の子どもはどうするのだ。成長はそんな遅い変化を待ってはいない。だから、私学革命なのである。私立学校の中にも、そこに踏み切れない保守主義的な学校もある。麻布のように創設当時から普遍主義的で、普遍に反するものには抵抗する自由な学校もある。グローバル教育を実践し世界を見てしまったがために、もはや自分たちの世界そのものを変えなくてはならないという使命をもっている革新主義的な私学もある。
☆本当に考えなくてはならない。生徒も保護者もそこを考えて学校を選ぶことは、ある意味世界を変えることなのだ。学校を変えるのは、生徒であり保護者でもある。社会を変えるのは、そういう教育をやろうという気概のある学校が生まれることであり、生徒も保護者もそういう学校を選択する目を持つことも大切だ。
☆たとえば、海城を選ぶ。自分の子どもの知が広まり深くなり、自分にとって最適な大学に進学できるだろう。そして、そのプロセスでグローバルな痛みに気づくグローバルリーダーとして育つ。それは世界を変えることだし、社会に貢献することだ。つまり、学校選択は世界を変え、社会に貢献することなのだ。
☆私立を選択することは、自由を選ぶことであり、世界を変えることであり、社会に貢献することなのである。そして、それができない公立はどうするのだ。たしかに、そうだ。そこを変えるためにも、善き官僚や奉仕者を育てるミッションが私学にはある。官僚に近い私学は開成学園なのだ。中学受験市場のダンジョンの封印を解き放ち、中学入試市場で本来の開成学園のミッションを貫徹してもらいたい。初代校長高橋是清が今いたら、必ずそうエールを贈るだろう。
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