2018年中学入試のベクトル【05】 思考力革命 ジャーナリストが動き出した!
☆「思考力革命」。第4次産業革命、インダストリー4.0、創造的資本主義、AI社会・・・。いろいろな未来社会が描かれていて、きっとどれもがそうなのだろうが、イギリスやフランス、米国、それに続く近代社会の道を開いた革命には、実はジャン・ジャック・ルソーを始めとする啓蒙思想家による思考のコペルニクス的転回があった。それに続くのが自称ルソーの弟子、カントやヘーゲルだった。
(2月14日バレンタインデー夕刻、子どもたちにすてきな知のプレゼントを贈るために、首都圏模試センターに育児・教育ジャーナリストおおたとしまさ氏が訪れる。「思考コード」の仕掛け人山下一氏、中学入試革命の仕掛け人北一成氏、「思考コード」を多次元尺度として模擬試験に結びつた三瓶先生が「思考力革命」前夜のブレストミーティングを5時間にわたって行った。)
☆つまり、革命が本当に起こるには、知識人や教養人の「ことば化」が必要だったのである。今、成長神話を形作ってきたファーストクラスからグローバルゴールズを果たそうとするクリエイティブクラスの人々へ世の中はシフトしようとしている。
☆ICTや映像アート、AI技術、起業家精神という新実態が急速に広まっている。これらは、クリエイティブクラスの人々によって推進されている。そして、このクリエイティブクラスこそ、知識を呼び覚まし、論理的に物事をなぞるだけの秀才ではなく、知識を新たに生み出し、新しい次元の世界を広げる創造的思考力をもった人々だ。
☆ファーストクラスは、思考コードでいえば、「A1A2A3」思考領域でとまっていった。クリエイティブクラスは「C1C2C3」思考領域を飛翔している。IB(国際バカロレア)では、前者を低次思考≪lower order thinking≫、後者を高次思考≪higher order thinking≫と呼んでいて、もちろん高次思考を養う高度なプログラムを有している。
☆しかし、それは一部のファーストクラスの人々のスキルであり、学びのスキルの次元の分断が、地球規模の格差を生み出し、その格差のゆがみは、貧困だけではなく、健康や自然環境、社会の公平性、ジェンダーの問題、医療や介護の領域など、あらゆる局面に歪みと軋みをもたらした。
(ふだんは柔らかい笑顔のおおた氏も、思考コードのC3の世界的使命に気づくや、眼光鋭く熱く語った。さすが、≪私学の系譜≫の源流江原素六学校の出身者である)
☆それゆえ、2030年に向けて、グローバルゴールズを設定して、あらゆる歪みや軋みを創造的問題解決能力で対応することになった。
☆グローバルシチズンすべての人々がクリエイティブクラスにシフトし、one for all all for oneという“Soul”を拡張しようという運動が起こっている。
☆しかしながら、その運動を結局のところ支えるのは、新たなグーテンベルグ計画が必要であり、そこで脈々と流れる思想が必要なのである。
(これから「思考コード」を生み出した学校や思考コードC3に相当する入試問題を作成している学校の取材や研究を始める知の編集人チーム)
☆その思想の種を創造するのが「思考力革命」である。おおたとしまさ氏や山下一氏、北一成氏、三瓶先生のような知の編集人が集い、そこに新しいメディアを活用した塾が参集し、今それは生まれようとしているのだ。
☆そして19世紀末にヨーロッパで生まれた田園都市レッチワースのようなユートピア都市の魂は、彼らが江戸を息抜き明治維新で近代を開いたときの根っこにあった大名庭園の発想だったのである。欧米が日本と出会ったときに気づいたユートピア都市構想。
☆江戸のエコ都市と啓蒙思想が融合した≪私学の系譜≫。麻布や海城でレッチワースをモデルにした田園調布やレッチワースそのものを取り扱った入試問題が出題された2017年思考力型問題は、「思考力革命」が生まれる、偶然という名の歴史的必然の象徴なのではあるまいか。
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