塾歴社会の行方【03】中学受験から中学入試へ
☆もっとも、中学受験から中学入試のキーを握る海城二次や城北二次の合格発表の集計がでないと実際にはなんともいえないが、SNWの合格者数のバランスの中で極端にNが低くならない限り、海城も城北も新しい教育のカタチにシフトしているから、自浄作用によって、塾歴社会の雰囲気を府払拭できるだろう。
☆そうなってくると、やはりキーはNであるということになる。もしNも中学受験から中学入試へシフトするという価値意識がなかったとしたら、上記の学校はすべて塾歴社会の中に巻き込まれていってしまう。
☆N本部の高木代表とN関東の小島隆社長の日頃のスピーチなどからは、塾歴・学歴社会を肯定することはないから、おそらくNは中学入試の地平を創り出すと期待したい。
☆そうであれば、上記学校のトータルの合格数を見れば、Nは十分に中学入試へシフトするエネルギーを持っているということになる。
☆そして、SもWも、それ以外のすべての私立中高一貫校の入試に目配りをしているわけではないから、結局そこから先はNの独壇場となるわけだ。
☆ただ、この中学入試の地平は、SやWがいないとしても、新しい塾のカタチが勃興しているから、ここでNが覇者になれないと、経済的基盤がゆらぐから、中学受験か中学入試かなどといっていられなくなる。
☆NはSとWとしのぎを削りながら、同時に、今一斉に生まれようとしているプログラミング学習やタブレット活用学習を活用する若い起業家が経営するる塾とも競争しなければならなくなる。
☆こうして冷静に時代の変化を重ねて考えていくと、1986年以来中学受験を牽引し、さらに中学入試の地平を開こうとしているNをめぐるダイナミズムがあるということなのである。
☆そして、中学受験から中学入試への地平を開く準備が万端揃っているのが首都圏模試センターである。ダイナミズムによって、塾業界がどのよに再編されようと、私立中高一貫校各校のほとんどは奮闘してサバイバルしようとする。この動きに実は塾は関係ないのである。
☆学校と塾の相関は、塾歴社会あってこその幻想だからである。そういう学校と業界の関係を分析して戦略を練っているのが首都圏模試センターである。
☆同センターは適性検査型模擬試験もやれば、最難関模試も運営している。そしてさらなる多様な入試をサポートすべくマルチ偏差値としての思考コードを開発している。今年は、このコードによって学ぶ指南書まで世に送り出すことになるだろう。
☆強欲資本主義から創造的資本主義に変わるかどうかということと、中学受験市場から中学入試市場に変わるかどうかということは、実はシンクロしている。
☆私立学校がどちらを望み欲するかは火を見るより明らかである。経営の倫理と教育の論理が統合される生徒獲得戦略の時代。これは私立中高一貫校と新しい模擬試験拠点と新しいICTベースの塾がつくることになるのは、21世紀という時代の流れである。
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