三田国際の競合校の変化を加速させる八雲学園の共学化
☆今週月曜日(2月20日)、八雲学園が共学化する一報が流れるや、またたくまにその情報は業界に広がった。その1つの証しとして、同日本ブログでアップした記事「八雲学園共学化宣言!2018年中学入試に衝撃波」が、今週のみならず今月のアクセス数の中で一躍トップに躍り出たのである。
(2年前、首都圏模試センターの「希望の私学」シリーズに八雲学園は掲載されている。そして、そのときからさらに同校は進化している。)
☆やはり衝撃波なのだろう。しかし、注目すべきは第2位の記事である。「2015中学受験生のために【059】 三田国際学園の競合校」なのである。これは三田国際が校名変更、共学化、先鋭的な21世紀型教育改革を行うことを宣言した直後のブログであるから、2014年のものである。毎月いまだにアクセス数の多い記事であるが、八雲の共学化宣言直後のブログと4年前の三田国際の共学化宣言直後のブログが、アクセス数1位、2位だというのは、中学入試市場がいかに両校の市場に与える変革の影響に関心があるかを示唆しているのではないか。
☆2014年の記事で三田国際の競合校として、
中央大学附属横浜
サレジオ学院
森村学園
世田谷学園
洗足学園
都市大等々力
広尾学園
☆を挙げてコメントしていたが、昨年までは、たしかにこれらの学校は三田国際の競合校だった。思い起こせば、2014年、このブログを書いたときは、何を蒙昧を言っているのかという非難を時々浴びた。しかし三田国際1年目の驚きの生徒募集の成功に、これらの学校は三田国際の併願校としてたしかに競合しはじめた。
☆そして、昨年は、明快に20世紀型教育と21世紀型教育という2つの志向性の目印が市場に浮かび上がった。その段階で、中央大学附属横浜、サレジオ学院、世田谷学園は、三田国際の積極的な競合校ではなくなった。
☆三田国際ほど先鋭的な21世紀型教育を行ってはいないが、21世紀型教育に軸足を置いている森村学園、洗足学園、都市大等々力、広尾学園は依然として競合校だった。
☆ところが、今年は、生徒募集で3年連続成功を収めているから、昨年の段階で偏差値はかなり高くなっている。森村学園、都市大等々力は、競合校でなくなった。一部模擬試験会社の偏差値が甘かったので、まだ競合校だと思って受験してかわいそうな結果になった生徒もいただろう。
☆洗足学園、広尾学園はまだ競合校であるが、来年は、洗足学園は競合校から徐々にはずれていく。というのも八雲学園が共学化し、やはり21世紀型教育機構として三田国際と同志校であるから、もともと教育の質は親和性があるうえに、男子を受け入れるにあたり、ますます先鋭的な21世紀型教育を追究していくことになるからだ。
(今月2月19日、和洋九段女子講堂で、21世紀型教育機構のセミナーが行われた。大橋先生、平方先生、石川先生、首都圏模試センターの山下さんとのパネルディスカッションは盛り上がった)
☆すると、三田国際学園の併願校の中に八雲学園が登場してくることになる。洗足学園は押し出されてしまうだろう。田園都市線の「長津田」駅に横浜線がつながっているから、長津田」から多摩エリアは、三田国際とともに21世紀型教育機構を牽引している「工学院」に生徒は集まり、長津田から世田谷区、目黒区にかけては、三田国際学園と八雲学園が席巻することになるだろう。
☆23区のうち北区から埼玉地区にかけては、21世紀型教育機構の「順天」「聖学院」が席巻することになる。21世紀型教育機構のメンバー校ではないが、海城と城北が骨太の21世紀型教育を行っているから、20世紀型教育の私立学校と21世紀型教育の私立学校の色の違いを明快に描くことになる。私立学校の30%である21世紀型教育校に生徒はドッと集まる。
☆まして、3年後に21世紀型教育機構の学校が大学合格実績も急伸するから、市場は当然希少価値を支持することになるだろう。
☆それまで、広尾は三田国際の競合校でありつづけるだろうが、3年後は、おそらく外れることになる。というのは、現在すでに三田国際学園との併願校に渋谷教育学園グループが顔を出しているが、ここが3年後の競合校になる。
☆広尾学園は、開智日本橋や八雲学園の猛追をうけることになる。なぜ開智日本橋と八雲学園かというと、前者はIB(国際バカロレア)を導入し、後者はIBの創始者が世界の私立学校のために創ったラウンドスクエア(ROUND SQUARE)のメンバーになるからである。
☆要するに、IBのエッセンスの詰まった教育の質に耐えうる学校は、21世紀型教育機構以外には数少ないからだ。つまり、2020年には、21世紀型教育機構の私立学校とIB機構の私立学校とこれらの学校の教育と親和性のある私立学校の教育の質を乗り越えられる学校は、他にないという学校選択地図が明快に描かれることになるのである。
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