富士見丘 最良の女子校<02>
☆日本の学歴社会は、基本高偏差値高学歴が、大企業や官僚へのパスポートだったから、当然、大企業や官僚組織の中でのリーダーシップ論が研究されてきた。
☆教育学においても、教師のリーダーシップ論は問われてきただろう。基本大学の教育学部の研究対象は、公立学校だから、教師は国民に奉仕する人材として官僚組織につながる組織である。
☆そこにおいて、生徒のリーダーシップ論は、20世紀官僚組織行動学の擬似的な適用に過ぎなかった。
☆しかし、グローバリゼーションという光と影の交差が、身近な日常生活にまで押し寄せている今日、官僚主導のリーダーシップ論では、なかなかうまくいかない。
☆その点、私立学校は、その系譜が官僚制度を作る以前から存在するもであり、日本の近代社会をどのように作るか、日本の未来をいかに創っていくか、世界の痛みを感じながら、にもかかわらず明日をみようとしてきたリーダーシップ論なのである。
☆ところが、昨今、東大依存型学校でよしとする私立学校なども登場し、そのような気概が見えなくなってきている危機的な状況もあるが、そんな中で、富士見丘の女子教育は、予測不能な未来を自分事としてうけとめ、いかに未来を創るのかをあらゆる領域で考え行動する生徒が育っている。
☆なぜそれが可能なのか、そしてそれが富士見丘でしかなぜできないのかというと、やはり富士見丘生が、実際に世界の高校生や世界で奔走している大学人と連携しているからである。
☆彼女たちの気づきは、常に世界がベースなのである。日本の教育や経済、、環境、介護、医療、政治をテーマに探究する際、その比較調査は常に世界を視野に入れている。
☆そんなのは学問の基本だと言われるかもしれない。しかし、実際に現地に行ってフィールドワークをしたり、渡航前や帰国後もスカイプなどでインタビューしたり、英文の文献調査をしているのだ。それには、ハイレベルな英語教育がべースになければならないし、ICTもネットワークにつなげて活用するという環境がなければならない。
☆このような環境がどこの学校にでもあるというのだろうか?一握りの代表生徒が行うことはままあるかもしれない。しかし、富士見丘の場合は、生徒全員がこのような活動をするのだ。ここが最重要ではないだろうか。「全員」というのがポイント。
☆そのような体験をしたい人には機会がありますよということと、全員が実際に参加しうる機会があるというのでは、全く意義が違うのだが、世間はその重要性に気づかない。
☆この破格のSGH(スーパーグローバルハイスクール)のプログラムがベースで、かつ女子教育を実践しているのだ。そうなってくると、富士見丘をおいて他にないのではないか。SGH認定校の90%強が共学校と男子校であるということからもわかるだろう。
☆グローバルな分野で、国を超え、企業を超え、多様性の中で、グローバルイシューを自分事として受け入れられる人材は、地球市民的な素養が必要であるし、世界の民主的国家の教育は、地球市民のリーダーシップ育成のためのシチズンシップ教育があるくらいだ。
☆しかし、日本の教育には、グローバル教育といいながら、地球市民を育成するプログラムは存在しない。NPOが補完してくれるからよいのだぐらいの感覚である。
☆特に、女子教育は見向きもされない。女性が地球市民として日本の中で活躍することは相当難しい。日本の中だけでものごとを判断していると、日本の女性と世界の女性とでは、世界観も歴史観も生き方も価値観も全く違うことに気づかない。
☆女性の地球市民的リーダーシップは、国内では学べないのが現状である。豊かな心、優秀な頭脳を持ち、地球規模のリーダーシップを育成することの重要性に気づいた家庭が富士見丘を選択している。だから、偏差値意識ではなく、グローバルな視野で問題を解決すること探究をしていくことに価値意識をもっている家庭層が富士見丘に集まってくる。
☆グローバルな舞台でコミュニケーションをとり、いっしょに世界の痛みをシェアし、いっしょに創造的問題解決をしていくには、世界の人々を巻き込まない限り突破口は見つからない。富士見丘の生徒は、あらゆる分野で、世界の人とを巻き込みながら、リーダーシップを発揮していくだろう。
☆その準備が、独特のSGHプログラムによって着々と進んでいる。日本の女性は、この良質の教育に目を開き、耳を傾けることをおススメする。やがて、私たちは、富士見丘の理念「忠恕」を抱いているOGに救われることになるだろうから。
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