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2017年東大合格情報の季節【03】 海城 グローバル戦略を土台にできた

インターエデュの情報によると、海城の東大合格者数は48名。昨年が30名だったことを思えばV字回復。しかし、これは、同校校長特別補佐中田先生にとっては想定内だった。

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☆というのも、2011年当時中田先生は教頭だったが、高校募集を閉じて、30名を中学の帰国生入試にシフトする偉業に奔走していた。

☆最初は、国内の帰国生入試を行っている学校のリサーチを徹底的に行っていたが、海外フィールドワークに行ってのちからは、ある確信に変わったのだと思う。

☆2010年までの20年間は、海城の教育内容の改革が主だった。世界をリードする紳士を育成するという人間力重視の理念を貫徹するために、日本の学歴社会の中で椅子取りゲームをやっていてもよいのかという、学内と日本を取り巻く教育問題のはざまで、現代哲学や文学理論の切り口から学習理論を構築していった。

☆そして、その高い見識は、当然グローバルなビジョンとつなっがっていたのだが、実際に帰国生入試を行うに当たり、海外フィールドワークをしたことによって、ドラマエデュケーションやPA、コミュニケーション重視の学び、社会科卒業論文などの独自の教育が、世界標準の教育だったことに改めて気づいたのだと思う。

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☆そして、帰国生を受け入れるに当たり、グローバル教育として自覚的にとらえ返すことによって、IB(国際バカロレア)との親和性も検証していった。

☆すでにOBも世界で活躍する人材はいっぱいいたから、おそらく中田先生はOBに導かれて、世界の企業人、教育人、知識人とのネットワークを広げたに違いない。

☆そして、東大以上のハイレベルでかつ社会貢献をベースにするリベラルアーツがしっかりしている海外の大学に立ち寄り、開成や麻布以上のエスタブリッシュの欧米の私立高校をリサーチして、もはや御三家に追いつけ追い越せみたいな受験業界の言説は、まったく意味のないガラパゴス用語であることに、前々から気づいてはいただろうが、明快に現実のものとなったはずだ。

☆2017年、そのグローバル教育改革1年目の成果の一つが、東大合格実績だろう。推薦入試の枠も1人きちんとクリアしている。今後海城は、もっと飛躍していくだろう。

☆渋谷教育学園幕張は、今年77名東大合格。麻布と同数である。渋谷教育学園渋谷は25名。グループとしては100名を超える。つまり、開成の次に渋谷教育学園グループは位置する。

☆インターエデュの判明分によると、開成、渋谷教育学園グループ、灘、麻布、栄光、海城という並びになるが、「御三家」という受験業界言説は「おわり」であることを示唆している。

☆クリエイティブクラスを育成する21世紀型教育の時代は完全に到来した。「御三家のおわり」の新時代が到来。これが中田先生の確信であろう。

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