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21世紀型教育 Capitalism(資本主義)からCreativism(創造主義)へ 【01】

☆2020年の新学習指導要領で、「鎖国」という知識が消えるということのようだ。これは本当だとしたら、文科省の中には、相当の知恵者がいる。つまり、「鎖国」とは、歴史の1つの考え方である「鎖国史観」にすぎず、歴史的事実ではないとする新しい考え方を埋め込むという作業を水面下で行っているということを意味するからだ。

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☆この脱鎖国史観は、結局は江戸という近世が中世からある連続性があるという話だろうから、網野善彦さんのような新しい日本史の考え方も背景にあるだろう。網野さんと言えば、西洋中世史に新しい光をあてた阿部謹也さんの歴史観にもつながる。

☆そして、そうなると実は、暗黒の中世ヨーロッパという先入観をひっくり返したマルク・ブロックから始まるアナール派の歴史観にもつながっていく。

☆そして、この歴史観は、シュンペーターの経済学説にもつながっていく。つまり創造的破壊。シュンペーターなんて経済学の中では忘れ去られたというかもしれない。しかし、スティグリッツはシュンペーターに触れているし、ドラッカーは明らかに影響を受けている。

☆ドラッカーの父親は、オーストリア人で、シュンペーターと面識があったというエピソードはいろいろなところででてくるくらいだ。ネット検索でもすぐに拾えるだろう。

☆これがなぜ脱鎖国論なのだ?鎖国史観は、官僚に多いタイプのケインジアンには都合がよいのだ。規制と緩和のバランスをとる発想法。そこにいくと、バランスそのものをイノベーションで破壊して次の市場を創出しようというのは、リスクが大きすぎる。

☆しかし、経済学よりも経営学が今求められている時代、たとえば起業家なんて言葉はそれを象徴しているが、そうなってくるとシュンペーターが蘇る。ドラッカーが蘇る。内生的成長論はイノベーションしかない。

☆それゆえ、脱鎖国論だし、新しい資本主義へシフトするには、ケインジアンではない文科官僚が水面下にいるということか。

☆そして、ケインズ自身が実はシュンペーターのような考え方をする資本主義に憧れてもいた。強欲資本主義にブレーキをかける経験主義的なケインズも、モモでミヒャエル・エンデが埋め込んだシルビオ・ゲゼルの資本主義的な考え方に。

☆ビル・ゲイツもすでに2008年のダボス会議で「創造的資本主義」を目指そうと語っている。しかしながら、これではまだ強欲資本主義を乗り越えられない。

☆社会である限り、資本や資金や資産は必要だ。しかし、それは何のために?ただ生きるために?いいや生活そのものを楽しく生きるためにだ。楽しく生きるには、排除される人がいてはいけない。そこに深い悲しみが生まれるからだ。

☆CapitalではなくCreativityを前面にだす市場というコミュニケーション経済を生み出す必要がある。だから、Capitalism からCreativismへなのだ。教育もそれゆえ変わる。そしてこれが21世紀型教育のビジョンだ。

☆脱鎖国論というものがあるのかどうか。またそれを文科省が新たな戦略としてそっと埋め込もうとしているのかどうか。誰も知らないし、証明しようがない。まっ、私の独断と偏見、憶測に過ぎない。

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