« クリエイティブクラス≪05≫ 桐光の知 世界の痛みを引き受け数学的思考で新しい世界を開く | トップページ | 学校選択の指標を自ら創出する時代【02】私立女子中学校フェスタ 6000人が訪れる »

学校選択の指標を自ら創出する時代【01】組織を観察する 学習する学校か

☆学校の先生方の話を聞いたり、実際に対話をしてみると、その先生の背景に横たわっている組織観が見えてくる。パンフレットやサイトではそこは見えないが、教師は組織の一員であるから、組織のビジョンや考え方、価値意識が見え隠れする。学校説明会に足を運ぶ最大の理由はここにある。

Photo
(900字弱の大容量の本)

☆学校の組織は、理事長を中心とする「理事会」という経営チーム。そして、「校務分掌」というツリー構造の学校運営組織によって成り立っている。基本的にはピラミッド型の階層構造になっている。

☆「理事会」をM、「校務分掌」に従う組織をmとすると、M=mという組織が実に強い。ところが、学校というのは不思議なことに、M>mやM≠mということがしばしば。

☆M>mの場合、Mがしっかりしていれば、その学校は持続可能だが、そうでない場合、タイタニック号になる。mに所属する先生方が変革するメンタルを持っていない場合、迷走は決定的だ。Mがしっかりしていても、そのしっかりしていることの根拠が20世紀型メンタルの場合、大学合格実績がでていれば、持続可能だが、そうでなければ、やはり迷走する。

☆M≠mの場合、その学校は、大混乱をきたす。大学合格実績がでていようものなら、保護者も巻き込んで、学内は分断されて、Mもすぐには対応できない。目先の評判を守りたいからだ。すでに大学合格実績もほかの成果もない場合、万事休す。Mがしっかりしていれば、そもそもこの対立状況を生まないから、Mが合理的でないということを示している。

☆M=mの場合、たしかに、一見最強ではあるが、M=mが20世紀型メンタルを持っていると、やはりタイタニック号になる。大学合格実績が出ていることで、なんとか持続可能性を担保しているが、もし大学合格実績が出ない場合、外部環境の変化に適応できずに、衰退する。

☆こうして見ていくと、大学合格実績がでていても、その内実組織が古い場合がある。組織が一丸となっていて、一見強そうでも、やはり内実組織が古い場合もある。

☆注意しなければならないのは、組織が古いということと伝統を保守するということは全く別次元の話。新しい組織は、歴史的存在理由ととしての伝統をむしろ大切にし、それを現代化することによって、暗黙知や集積されたリソースを有効に活用できるからだ。

☆組織が古いと伝統を形骸化し、外部環境がどう変わろうと、支えとなる合格実績にしがみつき、結果新しい未来世界に対応できない人材を生み出す組織と化する。しばらくはそのような、組織は持続するが、未来に対応できる柔軟な知を生み出せないことは、ソフトパワーが弱いということだから、やがて、そのことが明らかになり、市場の評価を下げることになる。

☆実績があるのに、市場の評価は低いとなれば、徐々に迷走が始まるのだ。

☆また、教職員が一丸となってとか一枚岩になってとか言われるが、古い組織のまま、つまり20世紀型のメンタルのまま一丸となっていては、突破口が見いだせないから、まさにタイタニック号になるだろう。

☆「一丸となって大学合格実績を出します。アクティブラーニングだとかICTだとかそんな表面的なものに惑わされません」といっているような組織は、自滅する。それは歴史を顧みれば明らかである。組織が古いということは、教育イノベーションがありませんということを示しているからだ。

☆そして、組織が古いということは、今時そんなことがあるのかと、思われるかもしれないけれど、実際にはまだまだ多いピラミッド型縦割り組織である。

☆これに対して新しい組織とは、フラット型組織では、残念ながらない。この組織はディスオーガナイズされているだけで、持続可能性は不確実だ。新しい組織とはピラミッド型の内生的な学習する組織である。M=m×LOというわけである。LOとはLearning Organization。

☆あるいは、M=m×LO=schools that learnということ。ピーター・M・センゲ博士編著の「学習する学校」は、900ページ弱もある大容量の翻訳本。しかし、それだけ、学校の組織をどう考えるかは、重要であるという認識が、やっと日本にもやってきたということである。

☆2014年に翻訳されているが、原文は2012年に出版されている。それにその前からピーター・M・センゲの考え方である「学習する組織」は企業経営で大いに参考にされてきた。何を言いたいかというと、この「学習する学校」のエッセンスは、今回の学習指導要領改訂の際に参考にされているということ。

☆もちろん、そのエッセンスの部分しか反映されていないが、文科省の中に優れた情熱家がいるから、なんとかしようということなのだろう。。。

☆そんなわけで、学校選択をする保護者も、自ら本書を手に取って、斜め読みで構わないので、学校の組織とは何か、判断する指標を形成しておくことは大切。学校選択の指標は、今のところ、実はない。

☆偏差値は、その学校に挑戦する生徒のレベルを出したものだから、合格するかどうかの指標である。学校選択の指標の一つに、どのくらいのレベルの生徒がいるのかというのがあってももちろんよいが、それと学校組織とはまた別の視角である。

|

« クリエイティブクラス≪05≫ 桐光の知 世界の痛みを引き受け数学的思考で新しい世界を開く | トップページ | 学校選択の指標を自ら創出する時代【02】私立女子中学校フェスタ 6000人が訪れる »

21世紀型教育」カテゴリの記事