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問いの作り方【02】反転。すると問いのパターンが・・・♪

☆2017年東大推薦入試法学部のグループディスカッションの問いがおもしろい。「人口問題はいかなる意味で問題か」。なんて自己言及的で知恵の輪みたいな問いの作り方だろう。

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☆条件として「人口問題を『問題』だとする考え方の前提まで考えよ」とか、「人口問題を『問題』だとしない考え方の場合、その前提まで考察せよ」ということまで加えている。

☆グループディスカッションだから、この手の自己言及的、つまり一見ショートしてしているように見える問いは、それを紐解くところから始まるから、この条件はなくてもよかったかもしれない。

☆もっとも、入試という時間的制約があるからということなのだろうが、制約こそがクリエイティビティを生み出すとは、デザイン思考などで、よく使われる言説だが、本当?と反転させて問い直してみるのもおもしろい。

☆それはともかく、この問題は、そんな視界を反転させてみてみよう、すると全然違うシーンが見えてくるかもしれないというすてきな問いかけ。

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☆パッと見たら、自己言及的でエッシャーの滝じゃん。どうすりゃいいんだ。。。そんなとき、木も見て森も見るんだよと。

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☆なあんだ、ドーナツもマグカップといっしょだったんだねとなる思考の範囲と深さを設定しているのが、今回の問い。反転させる問いの作り方。実におもしろい。

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☆そして、発想術のアイコンを紹介したが、それぞれのアイコンの背景には思考方法の種がある。

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☆つまり、反転とは「ルビンの壺」という関係主義的思想の種がある。「エッシャーの滝」はパラドクスを解く論理階型の発想がある。木も見て森も見ようというのは、メタ認知の発想。ドーナツとマグカップはトポロジーという柔らかい数学的発想。

☆東大法学部のグループディスカッションの問いは、昨年もそうだったが、思考の範囲や深さを開く時、複合的な思考方法が絡んでくる。たった「人口問題はいかなる意味で問題か」という短い1文の問いでありながら。

☆しかし、井庭崇准教授(慶應義塾大学SFC)のランゲージパターン的な発想で、以上のように、問いのパターンを組み合わせると、思考の範囲や深さの見通しが立ちやすいかも♪。

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