希望の私学「工学院」【04】 ザ・リフレクション CMS(カリキュラムマネジメントシステム)
☆高1のオリエンテーションの3日目最終日に、カリキュラムマネジメントシステムの一角が見えた。生徒が成長するとき、実は学びの環境もその都度変容している。
☆ただ、共に変容しているから、ジェット機に乗っているとき、乗客も飛行機の内側の環境も両方ともマッハの速度で飛んでいることなど気にも留めないのと同じ。
(カリキュラムマネジメントシステム会議は、リーダー岡部先生、学年主任松山先生、教務主任奥津先生、教頭島田先生、株式会社メイツの副社長伊藤氏、本間教育研究所によるコラボレーションで行われている。)
☆しかし、それゆえに、リフレクションしたりモニタリングしたりしないと、軌道が外れたり、減速したりあるいは暴走したりということに気づかない。学校の先生方が、外部ネットワークと組むのは、そういう理由がある。
☆ただし、工学院の場合は、あくまでも先生方と生徒が主体で、外部のパッケージをそのまま活用することはない。それには、学内の対話と学内学外の対話のシナジー効果を生み出すリーダーシップが学内に存在する必要がある。
☆その点、工学院は、平方校長をはじめ、多くの先生方が、そのようなコーディネートに優れている。
☆今回のカリキュラムマネジメントシステムにおいても、コミュニケーション学と心理学とエンジニアリングと学習する組織をクラウド上で有機的に結合するコラボレーションができる岡部先生と松山先生というリーダーシップがあったから可能になった。
☆それから、当日ギリギリになって、Web上で回答を入力する作業の不具合が見つかったのだが、SNS環境で、国語の後藤先生が岡部先生と協力して、見事にクリアした。エンジニアリングのスキルも有している教師が多数いることが工学院の強みでもある。
(左から国語科の後藤先生、真中は英語科の加藤先生、右が岡部先生。不具合をクリアするのに集中しているシーン。加藤先生は工学院の上級広報デザイナーでもある。今回のオリエンのブログ編集もそうだが、動画を撮りためているから、いずれ動画も編集されて公開されるだろう。21世紀型教育における教師はクリエティブクラスである。)
☆オリエンテーションのどのプログラムのバックヤードも、かくして多くの先生方の協働的底力が発揮されていたわけである。
☆さて、Webベースで回答を入力したら、すぐに次のようにエクセル(スプレッドシート)にスコアが整理される。全貌を公開できないが、イメージはこんな感じである。300人くらいの回答を紙ベースで集めて、それを解析するために整理するのに相当時間がかかるが、この状態になれば、すぐに多角的分析に移れる。
☆下記のイメージでは公開できなかったが、記述式の回答も一覧になっているから、生徒1人ひとりのリフレクションの状況と、クラスや学年の傾向も選択肢の傾向と記述の性格とを重ね合わせて分析できる。
☆また、定点観測が必要だから、定期的にアンケートをして分析を集積していくことによって、生徒の成長とそのために学びの環境をどのようにヴァージョンアップさせていったか、どのような対話が行われていったかポートフォリオを創ることができる。
☆このCMS(カリキュラムマネジメントシステム)が、今までのLMS(学習管理システム)とは違って、教育学と哲学に造詣が深いエンジニアがその都度コラボレーションに参加するので、柔軟なデータ生成が可能になる。つまり、パッケージではない。
☆これができるのには、忘れてはならない極めて重要なことがある。工学院は改革当初から「思考コード」という成長を探索する指標や学びのヴァージョンアップを可能にする指標を創り、実践に埋め込んできた。その積み上げがあるから、CMS(カリキュラムマネジメントシステム)ができる。
☆もちろん、達人の先生ばかりだと、そのようなシステムは不要であるが、そんな達人の先生ばかりがいる学校は実際にはない。それぞれの才能がコラボレーションしてシナジー効果をあげられるチーム組織とエンジニアリングシステムの両方を整備することのほうが、理想的即現実的なのである。
☆ただし、工学院のもう一つのチャレンジは、新高3の担当の先生方が、一方で達人にもなろうとして、厳しい自己マスタリーを自らに課していることなのである。
☆希望の工学院は、かくして学習する組織であり、その組織の柱であるシステム思考をエンジニアリングによってWebベースにシフトしようとしていることと一方で教師として達人になる自己マスタリーという(これも学習する組織の柱であるが)トレーニングも実施しているということなのだ。
☆何より、この学習する組織は、オリエンで示されたように、教師と生徒と外部も巻き込んだ学習宇宙となっているのである。
☆もちろん、この学習宇宙は、多様な銀河系でできている。同校サイトを見ればそれは簡単に了解できるだろう。
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