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クリエイティブクラス≪06≫ クリエイティブティーチャー

☆ある学校のクリエイティブな先生が、同業者(おそらく知り合いの教師だろう)に自身のアクティブラーニング型授業の動画を見せてモニタリングしたそうだ。

☆そのとき、「準備、大変そうですよね」と反応されて、悲しい気持ちになった、しかし、こういうこともあると覚悟して心機一転がんばろうと。

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(ピーター・M・センゲ博士や中原淳教授の考え方を参考にした。輪ゴムを両手で引っ張ると、緊張感が伝わってくるが、それをクリエイティブテンションのメタファーとして活用。)

☆この状況がどういうものなのか、詳しくはわからないが、PBL型ワークショップの研修をやると、やはり同じような反応をされるメンバーもいるし、すぐに共鳴共振するメンバーもいる。「わからない!わからない!」と言いよって来て下さるメンバーもいる。

☆ところが、しばらく同じコミュニティの方々と研修を続けていくと、いつの間にかみんなと共鳴共振共感できるようになっている場合がある。もちろん、そうでない場合もある。ともかく、この事態は、結構感動もので目頭が一瞬熱くなるが、すぐにそのコミュニティのメンバーに、次のステージはどうなるのかヴァージョンアップを問いかける。すると、すでにそのコミュニティ自身で、次の次元を考えていて、そこに向かってワークショップのサポートをしてくださいと頼まれる。私もそう思うので、新年度またいっしょに立ち臨みましょうということになる。

☆この状況は、そのコミュニティが学習する組織になっていて、しかもビジョンと現実の葛藤を乗り越えて、乗り越えたと思ったら、ビジョンがより具体的に次のステージへヴァージョンアップして、またまた高みに登らざるを得ないという状況なのだ。

☆学習する組織で重要なのは、ビジョン共有であるが、チームワークやシステム思考、メンタルモデルの構築、そして自己マスタリーを有機的につないでいくことで、現実とビジョンの緊張関係が程よく生まれる。

☆この状態をクリエイティブテンションと呼ぶが、学習する組織ができていないと、ビジョンは名ばかりで、現実に没入し、生徒の面倒を大いにみて満足してしまう居心地の良い状況にいるメンバーが現れる。

☆面倒見がよいのだから、誰も文句を言えない。しかし、介入し過ぎで、生徒が主体的に行動できなくなり、考えることができなくなってしまう危険性があることに気づかない。そういうときに、Fixed MindsetからGrowth Mindsetにシフトできるように、インダイレクトな声をかけたり、エールを贈ったり、いっしょにリサーチして気づきを共有したりする。それで、クリエイティブテンションの領域に飛べるメンバーもいるし、心地よいコンフォート ゾーンから出てこようとしないメンバーもいる。

☆また、逆に高いビジョンを掲げて、やる気はあるが、学習する組織ができていないために、孤軍奮闘になり、仕事をかかえすぎて、現実がおいついてこない。つまり、パニック状態になるメンバーもいる。そういうときに、ケアするのだが、仕事をいっしょに整理したり、整理するICTツールをいっしょに探したりする。俄然クリエイティブテンションが高くなるが、そのときコミュニティの中にパートナーを探すことを忘れないようにしている。

☆そのパートナーの輪が大きくなれば、自ずと学習する組織ができる。つまり、これがクリエイティブティーチャーが仲間をつくり、ビジョンのヴァージョンアップを持続可能にする学習する組織。そして、それが市場経済と結びつけば、クリエイティブクラスになる。

☆私がいつも確認するのは、アクティブラーニングのようなワークショップ型授業は、決して1人でやってはいけないと。学習する組織を創ることが前提であると。それで、基本どこの学校でも、プロジェクトチームを創りながら小さな学習する組織を生成するところから始める。経営チームに学習する組織の大切さを説いても、なかなか伝わらないときが多いが、プロジェクトチームに関しては抵抗感が少ない場合が多い。

☆トロイの木馬的だけれど、そのプロジェクトチームがパワフルになり、経営チームが見ても頼もしくなってきたときに、これが学習する組織ですよと説き始める。すると、大車輪のように動き出すときもある。そうでないときももちろんある。

☆アクティブラーニングやPBLは手法だとか学びのツールだとか言われる方も多いが、人間存在を相互に支える世界を生み出す大切な関係生成の媒介項である。商品として物象化した道具ではない。

☆仲間としての絆が見える化された象徴記号のようなものである。だから、商品化されるリスクも高いのだが。。。ともあれ、そこが互いに了解できるには学習する組織の生成が重要ということなのである。

☆クリエイティブティーチャーがそのような組織を生成したら、そこに新しい生き様としての産業構造であるクリエイティブクラスの道が開ける。学校空間がパッケージとしての外部とではなく、共鳴できる外部のパートナーとつながることで、新しい市場が創出される。そして、そここそが、生徒の未来の生活の足場になるのである。

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