2017年4月ホンマノオト「アクセスランキング」ベスト50②共学化の質的分類
☆ランキング2位になったのは、≪日経新聞 私立共学化 時代の要請と判断か≫。学校の教師の質を「対話思考」で分類できるようになると、ようやく共学化の分類もできる。おそらく4タイプに分けることができるだろう。もっとも、この4つの分類は、女子校、男子校というシングルスクールについてもあてはまる。
☆しかし、これまで、実際には、ほとんどの男子校が、第Ⅲ象限に位置していた。女子校もしかりである。それゆえ、他の象限が見えなかったのだ。
☆ところが、1986年に渋谷教育学園幕張が中高一貫校になったとき、まったく違う次元の学校が出現し、第三象限の領域で、大学合格実績だけで競争するのではやがて衰退とすると見通せる学校がでてきた。
☆洗足学園や品川女子学院、頌栄などがそうだろう。それでも、まだまだ対話思考はA段階だった。そこに八雲学園という新星女子中高一貫校が誕生し、そのウェルカムの世界標準の精神をベースにした対話思考の教師のいる学校に注目があつまった。
☆そして、しばらくの間、第Ⅲ象限から第Ⅱ象限の間をいったりきたりしている私立学校の教育が続きた。A段階の対話思考かC段階の対話思考が中心で、EましてやE´の対話思考が行われるというのは、わけのわからない中学受験市場だったのである。
☆ところが、2011年3月11日の体験が、Aのような対話思考の持ち主では、この悲痛な状況を乗り越えることができないと気づいた。今もなおA型対話思考の大臣が辞任や更迭を繰り返しているぐらいだ。
☆やはり、フラットな対話で、共感的コミュニケーションが土台とならなければならないと気づいたのであるが、しかし、それだけでは、世界の痛みは乗り越えられない。
☆やがて、東北の問題は日本全体の問題であり、世界の痛み全体の問題であることがわかってきた。E型対話思考が主流にならねばならないと。
☆そのことに3・11前から気づいた新設校で、成功しているのは共学校である。かえつ有明、広尾学園、宝仙理数インターがそれであり、それらの学校は、第Ⅱ象限にしっかりと位置している。
☆しかしながら、第Ⅱ象限では、2030年以降の第4次産業社会でリーダーとなるクリエイティブクラスを育成できない。これが2020年大学入試改革の本当の意味なのだが、そこに気づいた学校グループが、2011年秋に発足した「21世紀型教育機構」である。
☆同機構の加盟校は、三田国際をはじめ、整理型知識ではなく、ネットワーク型知識をベースにした。そしてネットワーク型知識は即思考であるから、知識論理型思考という硬い思考力ではなく、論創造型思考という柔らかい思考力を身に付ける21世紀型教育改革を推進した。
☆この動きの中で、三田国際はアカデミズム的な探究を中心に21世紀型教育改革を推進。工学院はグローバルフィールドワークをしながら、実際にグローバルゴールズを達成しようと動き始めた。
☆渋谷教育学園幕張も、グローバルフィールドワークは行うが、模擬国連のようなエスタブリッシュの立ち位置から行うという国家を基盤とした教育で、工学院のようにグローバルシティを基盤とした教育ではないという差異がある。
☆国家的視座の対話思考、グローバルシティ的視座の対話思考、学問的視座の対話思考という、対話の質の違いが明快になったのが今である。
☆国家的視座は、情報公開には制限があるから、思考コードのような対話の基準を見える化することはない。せいぜい苅谷剛彦氏流儀のシラバスどまり。多くの学校はここにまで至っていない。
☆グローバルシティー的視座や学問的視座は、情報公開やその情報の生徒とのシェアは当たり前。この動きがないとグローバル高大接続準備教育はできない。
☆八雲学園及び文化学園大学杉並は、来春から共学校になるが、八雲学園は、ラウンドスクウェア加盟、文化学園大学杉並は、カナダBC州との連携契約が成り立っており、グローバルシティ的視座で21世紀型教育を行っていくことになる。
☆共学校は、第Ⅲ象限→第Ⅱ象限→第Ⅰ象限or第Ⅳ象限へと進化する。男子校も女子校もほとんどが、第Ⅲ象限。開成が第Ⅱ象限。城北、海城、麻布、武蔵が第Ⅱ象限と第Ⅰ象限の両義的位置づけ。聖学院が第Ⅰ象限に位置している。
☆女子校は、吉祥女子や豊島岡女子、桜蔭のように第Ⅲ象限に位置しているところと、洗足や鴎友学園女子、品川女子、女子学院のように第Ⅱ象限に位置しているところがほとんど。
☆そんな中で、和洋九段女子、東京女子学園は、第Ⅲ象限、富士見丘は第Ⅰ象限に位置している。
☆今後、学校進化論としての動きが加速する。
☆関西では、アサンプション国際と香里ヌヴェール学院が、今春21世紀型教育改革を実施し、第Ⅳ象限に位置する共学校として注目を浴び始めた。
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