私立学校進化論【02】市場のニーズから分類
☆私事の自己決定というのが私の基本的な考え方だから、どれがよいとかそうでないとかはない。価値相対主義ではなく、価値は相対化しておいて、できるだけ情報の凹凸の全貌が見えやすくしておいたほうが、選択意思決定に役立つだろうと。
☆意識しないで選択したあとで活用しても、自分の選択価値意識がリフレクションできる。その繰り返しによって、選択意思決定のための「自分軸」というものができあがっていく。学校選択者の選択眼を磨く一助になればよいし、学校もどのような市場ニーズをくみ取ろうとしているのか自己分析できるかもしれない。
☆こういう議論をしていくことで、教育市場のプレイヤーの教育に対する質への意識が高まるだろうし、そうなると教育の質が実際に高くなり、市場による教育改革が可能になる。
☆軍の力、金の力、知の力のどれによって世界を創っていくかは、もちろん、知の力によるほうがよいのだが、その力を測るのは、市場が決めるのである。
☆金の力といっても、市場が決めるのである。軍の力も市場が決めるのである。現在市場が決めるとなると、実は過剰な利益主義は排除されるし、軍の力は限りなくゼロに近づく。その代わり、その力が減った分がすべて知の力に加算される。
☆市場とは、このように、その時その時の最適な解を決める自由の最適保証の場である。だから、市場とは意思決定の最適解の場であり、資本主義と同じだと考えている人はカテゴリーミステイクをおかしている。いや、おまえこそおかしていると言われそうではあるが。私はそのように市場を考えている。
☆自由の最適保証の場。そこでは意思決定ができる場なのであり、自由の最適保証の場でなければ、選択意思決定はうまくいかない。
☆自由の最適保証の場である市場を形成するには、情報が相対化されている必要があるだろう。
☆そして、自由の最適保証の場であるには、対話思考がAやB段階ではうまくいかない。できるだけF段階に近づく必要があるだろう。で、現状Fの対話思考は、一部の学校でしかできていない。世の中にまだ全くいきわたっていない。そのような段階で、市場が健全に働かないのは当然なわけで、市場の進化も必要になるのだが、それが結局、教育による。
☆しかし、その教育は、すごく残念で、またまたお叱りをうけるのだけれど、現状制度では公立学校ではできないのである。なぜなら、そもそもが各学校が独自に意思決定ができないからである。
☆これが欧米の公立学校、たとえば、カナダやアメリカでは可能なのだ。なぜなら市民が教育を直接形成することが自治体を通して可能だからだ。日本は、不思議なことに、それが≪私学の系譜≫の中に弱いカタチではあるが、守られてきたのである。
☆≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫が互いに開かれて未来の学びの場ができる大きな契機になるのが、私立学校の進化の最終目標である。
☆だいぶ枕が長くなったが、進歩主義で実用主義の渋谷教育学園幕張の登場が、保守主義で理想主義、つまり伝統主義はいやだか、進歩主義もいやだというニーズを反作用で生み出した。
☆また、実用主義に対しては、進歩主義の中でも理想主義の反作用を生み出した。それが教養主義的思考型学校に火をつけたのである。
☆この歴史の中における同時代でおこる力の作用反作用を共時的パラダイムと呼ぼう。
☆しかしさらに、その後外部環境の悪循環が続くと、その進歩主義をも超えようとする力が働く。これが未来性の歴史の力だ。これを通時的パラダイムと呼ぼう。そうすると、共時的パラダイムをぶち破る通時的パラダイムとの葛藤が起こる。それが伝統主義vs未来主義ではなく、実は進歩主義vs未来主義なのである。
☆このとき時代の雰囲気をつくるのは、進歩主義×理想主義vs未来主義×理想主義である。進歩主義×理想主義に対し未来主義×実用主義の学校は興味がない。競争しても実益がないからである。
☆だから、生徒募集などの実益をかけた葛藤は、進歩主義×実用主義vs未来主義×実用主義となる。したがって、渋谷教育学園グループと三田国際×八雲学園の協働グループ(21世紀型教育機構同志ということ)がぶつかり合うことになるだろう。
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