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私立学校進化論【03】 渋谷教育学園グループvs三田国際×八雲学園

☆私立学校進化論において、大きなエポックは、1986年と2015年。前者は、中学受験市場の大衆化、その牽引校が渋谷教育学園幕張。後者は21世紀型教育市場創出、その牽引校は三田国際学園。

☆渋谷教育学園幕張に関しては、その後同校をモデルにした共学校がたくさん現れたが、なんといっても渋谷教育学園渋谷はグループ校としてファミリー校でシンクロしている。

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(2018年度中学入試注目校を分類した。今年は、この学校を中心にリサーチ。その過程で学校は日々進化しているので、ポジショニングは変わるだろう。)

☆三田国際学園も21世紀型教育モデルとして多くの学校に影響を与えている真っ最中であるが、2018年共学化する八雲学園が21世紀型教育機構同志校の中で、最も親和性がある。

☆工学院や香里ヌヴェール学院のように理想主義ではなく、実用主義で、PBLも、Project based Learningではなく、Problem based Learningという学力向上促進学習を選択している。

☆Project based Learnningは促進型ではなく、拡張型才能教育の方法論である。先鋭的21世紀型教育という目標は同じなのだが、価値観は当然違う。そんな中で、三田国際と八雲学園は親和性があるということ。

☆そして、促進教育という意味では、同じでも、親和性のない渋谷教育学園グループとは二つのグループは、その存在証明をめぐってぶつかり合うことになる。

☆前回述べたように、進歩主義×実用主義と未来主義×実用主義は、生徒獲得や海外大学合格実績で競争が起こる。もちろん、現段階で海外大学合格実績は、渋谷教育学園グループの方が圧倒している。

☆しかし、カリキュラムポリシーの質では肩を並べることができるようになるから、3年後から6年後にかけて、驚くようなことが起こるだろう。生徒獲得競争においては、すでに三田国際は突出しているから、偏差値競争もあっというまに追いつくだろう。もっともその競争は主眼ではない。

☆あくまでもカリキュラムポリシーにおける教育の質の競争が中心。しかし、カリキュラムが良質であるならば、生徒募集も合格実績も必ずや結果がでるはずである。

☆メディアは、この両グループの比較研究をすることをおススメする。実はそのことが日本の教育にとって何よりの有益な情報となることだろう。

☆このグループは、どちらかというとアリストテレス的知の枠組みであるが、プラトン的知の枠組みの学校と言えば、工学院と香里ヌヴェール学院だ。

☆19世紀末のベラミーやモリスの系譜から逃れられない私たちではあるが、この流れは実はプラトンの知の枠組みの変奏曲である。ユートピアであるイデア発想の誘惑と戦えたのは当時はアリストテレスであり、その後の科学主義はその変奏曲である。

☆こうして、この二つの通奏低音が、なぜか不協和音という幻想的かつ現実的なエネルギッシュな旋律を奏でているのが21世紀型教育機構なのであるが。

☆というわけで、メディアがきちんとこの両グループの比較研究をして空が灰色になったとき、工学院と香里ヌヴェール学院のミネルバの梟が「ドラゴン計画」の弧を空いっぱいにデザインするだろう。

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