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2018年中学入試のベクトル【24】 海陽 新たな教育のモデルの完成へ

☆海陽といえば、最初イートンや開成をモデルとしてデザインされたといわれるときもあったが、それらを参考にはしたが独自の教育を創造するプロセスをたどったというのが正しい見方だと思う。伝統を構築する道のりは、試行錯誤、紆余曲折だっただろうが、クラスとハウスの関係が、クラス+ハウスからクラス×ハウスへシフトしようとしている。詳しいことはわからないが、内生的転換が起こっていると感じる。

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☆どうしてそう感じるかというと、ときどき訪れて、中島校長をはじめ何人かの先生方のお話に耳を傾けていると、その息吹が伝わってくるからだ。

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今年の実績も、外からみているとなかなかよいのではないかと思うのだが、先生方は、実績そのものには、あまり興味がない。生徒1人ひとりが、それぞれの進路において、海陽で開花した才能を自己実現への道としてしっかり歩いてくれるようにという話ばかりだ。6年間、24時間寝食共にして、それぞれの進路について、見守り、助言し、語り合った思い出話ばかりに花が咲く。

☆私が、医学部28人というのはやはりすごいのでは、卒業生112名だから、25%シェアですねと言うと、もし全員が医学部に行きたいと意思決定をしたら、全員行けるようにサポートするというのが自分たちの教育ですから、そのような数字の見方はしないのですよと先生方は柔らかく語る。

☆それでも、東大京大9人で8%、早慶ICU上智56人で50%、MARCH36人32%と続けると、開成や麻布、灘に比べれば、実績という点ではまだまだですよ、それにあなたはそもそもそういうことに関心がないのにと不思議そうな顔をしている先生方。

☆とにかく、生徒が東大で学びたいということであれば、応援するだけですからと。もちろん、その結果はださなければならないから、生徒1人ひとりの結果がでるかでないかは重要な問題であると。

☆とにかく、生徒1人ひとりに対する話題が尽きない中島校長をはじめとする先生方。先生方の今の興味と関心は、クラス+ハウスではなく、クラス×ハウスに大転換させたいという議論だ。

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☆しかも、クラスとハウスをつなぐのは対話で、その対話がクラスにおける授業でもハウスにおける面談などにおいても貫かれるにはいかにしたらよいか。そして、海陽の対話とはいかなるシステムなのか校長勉強会でビジョンが共有されていく。

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☆一方で、論集「刻」の教育活動をさらに深めている。その1つの検証が、東大推薦入試や京大特色入試の成果であるし、とにかく多様なコンクールでの成果だ。

☆フジテレビ系列の“日本の未来を担う若者を紹介する”番組『ミライ☆モンスター』(毎週日曜日午前11:15~45)で、「第6回科学の甲子園全国大会」で総合3位に輝いた同校生徒たちの取組みが放送された話を熱心に語られる。

☆また、日本経済新聞未来面に同校生徒の投稿文が何度も掲載される話にも花が咲く。これらは、クラス×ハウスの環境が大いに影響しているのではないかと議論が巻き起こる。

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(校舎かと思いきやハウス)

☆そして、こういう自分の発想や研究の成果を出す生徒たちは、当然ながら互いにエールを贈り合う。たとえば、東大推薦入試も1人枠しかないから、生徒どうしと教師の三者で対話が続く。

☆ふと気づくと、先生方ご自身が灘や開成や、麻布などの出身者だったり、そこで教えていたりしている経験がある。そして、大学も東大、京大をはじめとする国公立大学やMIT、早慶などの出身者がずらり。

☆高い見識と豊かな経験に基づいた人間哲学。中学時代にみたピーター・オトゥール主演の「グッバイ チップス」で表現されたイギリスの寮制学校の現代化が行われているのが海陽だとふと思う。

☆すでに灘でもなく、開成でもなく、麻布でもなく、IBスクールでもなく、イートンでもない。それらを統合し乗り超え、海陽独自の学校文化ができあがった可能性大。しかも新しい教育のモデルとして世界標準に向かっている。

☆もちろん、ここまでくるのに、測り知れない先生方の努力があるし、日々新たな発想を積み上げ、さらに教育の質を醸成していく先生方の姿に感動しないではいられない。

☆2018年度入学試験も、特別給費生入試、入試Ⅰ、入試Ⅱの入学試験は、「国語、算数、理科」の3教科に変わる。社会に対する問題意識はクラス×ハウスで十分に養うことができる。経験値のないただ知識を憶えるだけの学習はしてこなくてよいのですよというメッセージではないだろうか。

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