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2018年中学入試のベクトル【28】 聖学院 小さき種が一面ひまわり畑になる授業

☆スポーツでは、試合のプロセスを動画などで何度もモニタリングできる。弱みを徹底分析して、失敗や敗北から、次のステップに成長するリフレクションができる。そのモニタリングの過程で、アスリートが、Growth Mindsetされていくファシリテーターやコーチの存在が重要であることは、今や間違いない。

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☆このことは、授業についてもいえるが、生徒の取り組んでいいる姿勢を動画でいくらとったところで、モニタリングはできない。教師の教授法のリフレクションにはなるが、いくらそれをしたところで、生徒1人ひとりの考えたり感じたりするモニタリングはなかなかできない。

☆今各所で行われているアクティブラーニング的な授業の研修でも、結局は授業方法で、その授業の成果はざっくりテストの成果や大学合格実績の成果でしか検証出来ていない。果たして、それは検証というのだろうか。

☆すぐれた教授法と生徒の成長の相関があるというのは誰か証明したのだろうか。

☆その検証方法はいかにしたら可能かは?学問分野の専門家にお任せすることにして、21世紀型教育機構では、生徒の思考の過程を共にモニタリングして、教師と教師、教師と生徒がチームコーチングできるコーチングシステムやカリキュラムマネジメントシステムを創る作業に入っている。工学院はその先行的アクションを起こしている。

☆昨日工学院の校長平方先生と聖学院の数学科主任本橋先生と、クラブ・クリエイティブ・クラスのミーティングを行った。田園都市線という五島慶太翁のユートピア都市発想が埋め込まれているエリアに居住しているということもあり、慶太翁の田園都市計画の遺作であるたまプラーザに集った。

☆平方校長の壮大なクリエイティブクラス育成の計画についての話を聞いた後、その壮大な計画を、総合学習や国内外研修という特別なプログラムでのみで実施するのではなく、ふだんの授業の中で種を播き、やがて生徒それぞれが花開くようにするにはどんなシステムが考えられるのか話題は収束していった。

☆とはいえ、いろいろ議論は拡散したが、本橋先生が授業で行っているケースを紹介してくれた。それは、実に興味深かった。数学の授業だから、ミニテストがあるのは当然なのだが、ミニテストの場合、ペアワークでテストを交換し互いに〇付けをする。それは、モニタリングの1つの行為だが、それでは回答があっているかどうかだけのチェックにおわりがちだ。もちろんそうでない生徒もいるが、どのくらい互いに解く過程までチェックしたのか把握しにくい。

☆そこで、本橋先生は、ミニテストを回収し、正解のパターン、誤答のパターンを分析し、たとえば、正解ではあるが、プロセスが違うサンプル、同じ結論であるけれど、その解き方の過程が正しいものと間違っているものというサンプルを抽出し、次の時間にチームで、解き方のパターンや誤答のパターンについてディスカッションする時間を設けているという。

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☆この時間は非常に盛り上がり、Growth Mindsetが生まれるという。正解すればよいというのではなく、数学の美学を考える時間にもなるし、自分の誤答が実は数学的思考を養うリソースとになっているというオープンマインドが生まれる。

☆サンプルがおもしろすぎて、つい1時間費やしてしまうこともあり、もっとシンプルにするために、パターンの整理をしていく必要性があると感じているということだ。

☆本橋先生の同僚で、高等部部長である伊藤先生(国語科教師)とも、教科は違うが、同じように分析してサンプルをつくってモニタリングをしていくコラボレーションを行っていくということだ。

☆実は、それによって、思考のスキルが明瞭になる。数学の美学というのは、言い換えれば、思考の美学であり、そのように変換していけば、国語や他の教科にも共通する思考のスキルが見えてくる。mちろん、違いも見えてくる。

☆誤答どうしを比較して正解に直すとき、どんな思考のスキルを活用するのか浮かび上がってくる。しかも、そのときその思考のスキルを活用すれば、今後正解への確率が高くなるではないというモチベーションがわいてくるのだ。

☆アスリートがモニタリングを行っているときに、今度こそはとモチベーションが内燃してくるのと同じなのではあるまいか。

☆この一回一回の小さなGrowth Mindsetの集積こそ、小さな種が大きく開花する肥やしになる。総合学習や国内外の研修は、授業の中で自ら気づいた思考のスキルをトレーニングするよき場である。

☆しかし、ふだんの授業がただ知識やスキルを教え込まれる場だとしたら、結局は外発的モチベーションに過ぎず、特別なプログラムも空回りするだろう。

☆プログラムを提供する外部団体は、そこまではかかわれない。普段の授業の内燃モデルは、学校の教師以外に生み出すことができないからだ。Growth Mindsetができるのは、すぐれた刺激的なプログラムではなく、日常の授業でくりひろげられている生徒の考える過程をいっしょにモニタリングできるチームコーチングでができるかどうかにかかっている。

平方校長を始め、21世紀型教育機構加盟校の先生方が提唱する授業の改革とは、そういうことを意味しているのである。そういうコンセプトで、工学院や聖学院の授業をリフレクションすると、なるほど小さく始めて大きく育てるカリキュレムイノベーションのシステムが着々と進んでいるということが了解できる。

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