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京都聖母女学院の教育イノベーション

☆学校法人聖母女学院は、大阪の香里園と京都の藤森にそれぞれ学校を構えている。香里園の聖母女学院は、今春、校名を香里ヌヴェール学院と変更し、共学校になり、21世紀型教育改革を断行した。

☆京都聖母女学院は、その動きとは別の独自の路線を歩んでいる。時代の大きな変化、特にその変化に呼応して、2020年には大学入試改革や学習指導要領の改訂があるわけであるから、京都聖母女学院も何らかの教育イノベーションを学内で議論はしているだろう。

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☆ただ、教育イノベーションと言っても、学校経営のイノベーションなのか、教育のハードパワーのイノベーションなのか、教育のソフトパワーのイノベーションなのか、そもそもこのような3つの分類そのものの考え方をパラダイムシフトするのか、意思決定は難しい。

☆現状、学校は仮想空間にあるわけでなく、リアルな場所に位置しているから、私立学校と言えども、地域との関係とは親和的でなければならないし、また、私立学校だからこそ、その所属する自治体の受験市場との関係を目配り気遣いしなくてはならない。

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☆その目配り気遣いにしても、迎合型か、啓蒙型か、協働型か、それらの統合型か、判断は難しい。

☆以上のような複雑な条件の中から取捨選択、統合しながら新機軸を立ち上げて、それがあらゆる関係とカチッと音を立てて結びつき好循環を生み始めたとき、改革は成功する。

☆そういう意味では、香里園と藤森とではかなり地域性の条件や受験市場の状況が違う。それゆえ、それぞれ、独自の教育イノベーションとそのタイミングを戦略的に考案されているのだと推察する。

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☆そうはいっても、時代の流れはあまりにも速いから、情報収集といついかなるときも柔軟に俊敏力を発揮できる準備をしておくことは重要だ。そういう準備をする場合、優先順位としては、教育ソフトパワーの切磋琢磨ということになるのだろう。

☆そこで、京都聖母女学院は、年に幾度も教員が一堂に会し、勉強会を行っている。今回は、「主体的・対話的で深い学び」について、それぞれの先生方が、どうとらえているか、自ら主体的に、対話することによって、シェアした。

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☆「主体的」になる条件や、「対話」する大前提として、「信頼」「絆」「尊重」などの状況をその「場」でどう開くのか体験し、次に、実際に今春の名古屋大学の数学の入試問題と東大推薦入試で工学部が出題した小論文問題を素材に、それを解くために、中3段階、高1段階で、生徒はどのようなコンテンシーを準備しておけばよいのか対話をした。

☆11チームが、それぞれプレゼンするのを互いに耳を傾け、シェア。いつも隣にいる先生同士だが、アウトプットやシェアによってお互い新たな発見があり、「深い学び」の効用を改めて気づく場面もあった。

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☆研修会終了後、同学校法人本部棟の経営企画室に立ち寄ると、石川学院長はじめ、香里ヌヴェール学院の小学校の荒川校長、中高の西村校長、経営企画室課長の高谷氏が、戦略会議を開いていた。テーマは「教育のソフトパワーの豊かな質を受験生&保護者と、いかにシェアするか」ということのようだった。

☆学校法人聖母女学院の2つの学校は、それぞれ独自の道を歩んでいるわけだが、子どもたちの未来に備えるための教育に挑戦していることは確かだ。その真剣な眼差しはシンクロし、情熱は共鳴して、夕方のキャンパスに響いていた。

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