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2018年中学入試市場が未来の響きを奏でる(04)超然校の顕在化

☆7月の首都圏模試の「度数分布表」を見ているが、実におもしろい。私立中学入試における「教育の過程の質」の5つの波のそれぞれの牽引校は人気を集めている。さらに、どの波にも属さない学校も人気がある。豊島岡女子、三輪田、跡見、学習院女子、大妻、大妻多摩などがそうだ。

Miwata
(三輪田のサイトから。同校の私学の魂がにじみ出ているシーンだ。)

☆豊島岡女子は、桜蔭と同様第一の波を牽引し続けているが、三輪田、跡見、学習院女子、大妻、大妻多摩とともに、日本の文化や伝統をしっかり保守している女子校でもある。この女子校グループは、C1英語を目指すわけでもなく、大胆な国際理解教育を行うわけでもなく、プロジェクト型(PBL)授業を浸透させるわけでもない。

☆しかしながら、私学の魂はブレないし、日本の文化伝統を土台としたリベラルアーツと品性が豊かだ。

☆大学合格実績もきちんと出していて、別に時代の変化に右顧左眄することなく「超然」と凛とした構えをみせている。

☆なにより、時代の大きな変化がおきたとき、思考のスキルやGrowth Mindsetは重要である。しかし、変化が目の前で起こす最も厄介なことはなにか?それは価値観の分裂であり、そのままでは、論理的思考も、クリティカルシンキングも発動できない。

☆クリエイティブなアイデアで、共感を創りなおすことから始めなければならない。すでにあったはずのコモンセンスが崩壊しているわけであるから、初めから共感的コミュニケーションを発動するしかないのだ。

☆かつて、欧米はこの日本の以心伝心や根回しをちょっと軽視していた。しかし、それはキリスト教や民主主義的なコモンセンスが前提にあったからた。

☆ところが、日本文化は、八百万の神々の闘いがベースである。共感的コミュニケーションで話し合いの素地をつくるところからはじめるのである。石の文化と木の文化の違いかもしれない。

☆物理的存在としての永遠か循環システムとしての永遠か。

☆グローバルな世界が、物質文明の持続可能性を見いだすイノベーション競争に陥っているが、そんな競争に影響されることなく、ブレずに超然とした自然循環の永遠性に魅了される受験生や保護者がいてもまったく不思議ではない。

☆もちろん、そのような二元論をアウフヘーベンしようとする第5の波を創出する「突出校」出現の兆もあるから、2018年以降はどうなるかわからないが。

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