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2018年中学入試市場が未来の響きを奏でる(09)恵泉の意味

☆7月の首都模試の「統一合判」の「度数分布表」によると、恵泉のA方式(2月2日)の志望者が増えている。志望者数ベスト50を出すと、他の日程の入試の志望者数も、昨年比微減ではあるが、ランキング入りしている。つまり、トータルでも、今年の人気校。

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(写真は、恵泉学校案内から。メディアセンターとしての図書館空間は、思考の拠点。)

☆同センターの併願校データを見てみると、実におもしろいのは、恵泉を選択している生徒や保護者は、圧倒的に恵泉を選択するのだが、それ以外の併願校の傾向が、程度差はあるにしても、恵泉と親和性のある学校を選択しているということである。

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☆私学の魂とは、理念や校訓の拠って立つ場所。したがって、恵泉を選択する場合、併願校は、キリスト教の学校が多くなる。しかもプロテスタント校の方が多いのは当然だ。

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☆21世紀型教育も同校の私学の魂から派出しているわけだから、同じく21世紀型教育を標榜している田園調布学園を選ぶのもたしかに可能性としてはある。

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☆全人教育ももともとは欧米教養主義に拠っている場合が多だろうから、当然キリスト教主義の教育と重なるところもあるだろう。デューイ的な民主主義社会と教育を統合することとキリスト教主義と教育を統合する恵泉のような学びの背景はかなり親和性がある。

☆もしかしたら、立教女学院のエピスコパルや香蘭のようなアングリカンよりは、クエーカーである新渡戸稲造に影響を受けている恵泉は、日本の全人教育の方に親和性があるのかもしえない。現在、学校選択をする場合、そこまで考える生徒や保護者はいないとは思うが、学校を訪れれば、雰囲気が似ているかどうかは察知できるものである。

☆進学という点でも、恵泉はきちんとキャリアデザインのプログラムを構築している。ただ、進学実績を出すことは魂から派出してはいるが、魂そのものではない。

☆キリスト教的な教育は、やはり聖書というロゴス(言葉)にある。また信仰は理解より感じるところに力点がある。そして、野のスミレやブドウの木の樹液や小さな種が大切にされ、その自然と精神と共同体が循環していることが大切にされている。

☆エゴによって自然を破壊したり社会を成金の集合体にすることをクリティカルチェックするのもキリスト教的な教育のリベラルアーツの土台である。

☆今恵泉が選択されるということは、そのようなキリスト教的教育やその現代化である21世紀型教育への価値意識が高まっていることを示唆しているのかもしれない。

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