かえつ有明 高3生の世界そして宇宙
☆自分の世界、自分の宇宙の種は、自らの興味や関心の想いに内包されている。その種は、対話や議論、ときには瞑想や森を散策するなどして、他者(人の場合もあり自然の場合もあり社会の場合もある)の中にいる自分を、同時に自分の中に存在する他者をとらえ返すことによって、発芽し、成長し、実を結び、再び多くの種となって広がっていく。
☆金井先生のプロジェクト科の生徒は、18歳になったとき、教師と生徒いうロールプレイもするが、対話の時は1人の人間として向かい合う。今回のワークショップで改めてそのような関係を実感した。
☆最初動画をみて、見終わったら、気づいたことをペアで語り合う。もっともひとり30秒で話すという、<瞬間の永遠>を大切にするというリフレクションタイプの対話。
☆動画はさらに2つ追加され、動画を見るたびにペアで対話。ただし、2回目からは、ただ気づいたことだけを話すのではなく、仲間に「問い」を投げかける生徒が現れた。
☆動画は、近未来である第4次産業革命に関する内容で、企業が作成したもの、国が作成したもの、ホーキング博士が警鐘を鳴らしているものが流された。
☆かくして、この過程の中で、それぞれの未来の種が共有されていった。彼らの未来は、実は<いまここに>あったのである。
☆その後、高3ということもあるから、現実的な問題として。今春の東大の工学部の推薦入試問題を議論する展開となった。ルネサンス期に社会変革に大きな影響を与えた三大発明について考察し、2050年ごろまでに期待する3つの技術革新について考察する問題。
☆フェーズを地球から宇宙にシフトするアイデアや新しい人間の欲求を考察するアイデアやより人間に近くなる技術革新のアイデアなど多彩だった。チームのプレゼンのたびに、金井先生はコメントを返したが、先生自身が気づかされてことにつてフィードバック。
☆生徒どうしで問いも投げかけられた。「宇宙で使わる言語は数学ではないか」とか「AIが作った作品には価値があるのか」など議論や考えを深める対話となっていった。
☆教師と生徒の関係から、人間と人間の関係にシフトしているシーンが広がったわけであるが、ここにこそ生徒が未来を今手にしている実感と自信と期待を抱く、エンパワーメントの瞬間があった。
☆自分の言葉が他者に届いたり、社会を動かすなどの原動力になることをシェアした時こそ人はインパクトの響きを自分の中に感じるものである。
☆最後は、今回の自分たちの言動や思考の軌跡を振り返る作業をした。オットー・ラスキーの英文を参考にして、認知能力の次元について考えた。入試問題や社会が要求してくる認知能力の次元と自分自身が立ち向かっている認知能力の次元のズレやジレンマへの洞察。
☆Common Sense→Understanding→Reason→Practical Wisdomという認知能力の発達理論を、自分たちなりに組み立て直して、語り合った。一発ペーパー試験とAO入試などでは、求めてくる認知能力の次元が違う。そのため戦略も柔軟に組み立てる必要がある。しかし、それと大学入学後の自分の発揮する認知能力の次元はまた違う。
☆さて、どの次元で自分の世界や宇宙を生み出していくのだろうか。大いに楽しみである。
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