強烈に動き出した私立中高一貫校 首都圏模試センター主催新市場拡大セミナーで(1)
☆第1部基調講演は、首都圏模試センター取締役教育情報部長の北一成氏。テーマはズバリ、「注目される学校になるために!~いま必要な中学募集の新・広報戦略と具体的展開」。
☆「新広報ハンドブック」をバージョアップし、そのエッセンスを丁寧に要を得たプレゼンテーションをした。首都圏模試センターは、首都圏中学入試市場を活性化することを自らのミッションとしている。
☆模擬試験という場に集積する学校情報、受験生・保護者のニーズ、併願校、学力情報など膨大なデータを分析し、時代の変化を読み解く手法は、他の模擬試験会社の追随を許さない。
☆ハンドブックを開くと、すぐ上記の中学市場の歴史的変遷のグラフがでてくる。3つトルネードが巻き起こっている図であるが、2014年以降の3番目のトルネードは、首都圏模試センターが環境を設定したといっても過言ではない。
☆実は2011年までは、「御三家」を頂点とする塾歴階層化市場だった。その市場の中で、結果的に椅子取りゲームを行ってきた。パイの大きさが十分ある場合、ランキングは上位に位置していなくても、どこの学校も定員をなんとか獲得できたが、長期のデフレが、公立中高一貫校と進学指導重点校に受験生・保護者の価値意識をシフオさせたし、そもそも少子化の波は防ぎようがない。
☆したがって、塾歴階層化市場で、ランキングが低くなると、定員を割る学校の数が増えるし、かなり逼迫する学校もでてきた。塾歴階層化市場を牽引している塾とその塾のターゲット校のみが定員を満たすという状況が2011年までに固定化してしまった。
☆すると、中学入試市場を形成している30%の学校と塾は衰退のベクトルを示してしまった。
☆中学入試市場の20%を牽引している塾と学校はまったく問題ないが、市場が危機に瀕した時、実は対岸の火事ではいられないのである。私立中高一貫校が弱くなれば、文科省はそこをうまく突いてくる。教育や学びの自由が相対的に弱まるわけだ。
☆なにより、中学入試市場という経済が喪失することは、日本の経済社会にもそうとうダメージを与える。特に現状の教育システムでは、先進的な教育を行っているフィンランドやシンガポールに太刀打ちできない。今後マレーシアやインドネシアなども日本を追い抜いていく可能性がある。
☆OECD/PISAで日本は負けていないではないかと思われるかもしれない。しかし、学力の領域別にみると、思考力や表現力では負けている。勝ち負けの問題ではもちろんないが、世界が、経済力を始めとする国力は、教育力にかっかっていると考え、AIと共生できる高次思考力や表現力を身に付ける教育改革をICTを絡めてどんどん行っている。
☆そんなとき、20世紀型教育をインストールされたままの「塾歴階層化市場」が、80%の受験生や保護者のニーズを満たしているはずはない。
☆80%の私立中高一貫校や塾は、20世紀型教育をアンインスオールし、21世紀型教育をインストールし、Growth Mindsetする必要がある。そして、20世型教育をインストールされたままの塾歴階層化市場としてFixed Mindset(頑なな心の在り方)されている状況をなんとか解放する手助けをしたい。私立中高一貫校は、明治維新以降から、正しき誠の道を、ガバメントに示してきた仲間なのだから。
☆こうして、首都圏模試センターは、中学入試市場の第3のトルネード(私の場合は「第4の波」)のグランドデザインを、新市場を創出する意欲をもった私立中高一貫校と業界人と共創する活動を展開している。しかも具体的に「しゅとCommu」というプラットフォームを創ってしまったのだ。
☆この活動自体は、2013年ころから徐々に展開してきたから、実は今回集まった多くの学校で、部分的にすでに動き始めている。今回、首都圏模試センターと共創プラットフォームに参加することによって、強烈なトルネードを巻き起こすことになろう。
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