突出校【02】 富士見丘② グローバル・イマージョンズ
☆佐藤先生によると、
2020年大学入試改革は、英語4技能教育と創造的思考まで射程に入れた高次思考領域育成を目的にしていることは明らかですが、日本からこの改革を見ていると、どうしてそこまでやる必要があるのかという考え方をする人もまだまだ多いですね。
ICTにしても、第4次産業革命が訪れているにもかかわらず、ICTデザイン関連の人材が減少しています。そこで、文科省は工学部のカリキュラムを変えたり、大学院へ進む率を高める改革を行っています。
(資料は文科省から)
大学院に進まなければならないほど高度技術が必要であるのですが、同時に実は、目まぐるしくグローバル専門知識は新しく生まれてきます。せっかく身につけてきた専門技術が、役に立たなくなる速度が加速しています。
したがって、どうしても領域横断的な高次思考力やPBL型でコラボレーション型の研究活動が必要になってきます。リベラルアーツ系の学部と専門の研究の両方をとるメジャーマイナー制――欧米では当たり前ですが――がようやく日本で考えらるようになりました。
ICT人材とは、高度な専門知識と柔軟に新しい知識を創造する高次思考力が必要なわけです。
よく文系理系の両方が統合される新しい学問が生まれてきたといわれる動きが、工学部には特に顕著に表れています。
そして、このような動きに、初等中等教育が、うまくアクセスできるようにというのが、高大接続教育だったわけです。しかしながら、この動きを本気に行うと、海外大学にも同じように接続できるわけです。
残念ながら、2020年にそこまで行くかというと、結構難しいでしょう。しかし、もはやグローバル高大接続準備教育は必要だということだけは、はっきりしたわけです。これをやらない限り、日本の将来、つまり生徒の未来を守れないのです。
ですから、やらねばなりません。しかし、現実はそうはいきません。ジレンマですね。ですが、それを乗り越えるには、挑戦しようと覚悟を決めれば進めるのが私立学校です。幸いSGH認定校ですから、公立学校のモデルにもなる部分を創りながら、私学らしい突出部分は別に創っていこうと思っています。
☆どうやら、20世紀型教育<SGH校<21世紀型教育突出校というイメージのようだ。SGH校として公立私立問わず、新しい教育のプロトタイプを創りながらも、私立学校としては、グローバル高大接続準備教育を断行しようと。
☆結果的にそれは、将来の日本の学校全体のモデルになるだろう。さて、この突出するという意味でグローバル高大接続準備教育とはいかにしてできるのだろうか?
☆佐藤先生によると、それは、日本からではなく、世界から見れば自ずと答えはでるということである。日本から見ている英語教育は、英語イマージョンが限界。世界から見ると、英語イマージョンではなく、グローバルイマージョンズが当然ということになる。
☆英語をまず勉強してから、その中から英語が出来る生徒を留学や研修に送り出す時代は終わったと。意欲がある生徒は、グローバルに丸ごと浸ればよいのだと。英語のみならず、リベラルアーツ的な素養が必要であることが、すぐにわかる。そして、すぐに今までの自分のままであっては通用しないということもわかる。
☆そのとき、モチベーションが内燃する。自己変容を果たし、グローバルミッションを自分軸に据えますよというお話しだった。その自信は、そのような成果がもうすぐ現れるというところから生まれている。それは次回。
| 固定リンク
「21世紀型教育」カテゴリの記事
- 新しい対話の時代 自然と社会と精神とAIの循環ネットワーク (2023.08.12)
- 石川一郎先生のメタファー対話(2021.08.22)
- 学習指導要領の再定義の必要鵜性?(2020.08.28)
- ホンマノオト21に移動します。(2018.07.25)
- 【聖学院 生徒の未来を創るコンフォートゾーン(2)】(2018.06.28)
最近のコメント