成立学園中 来春「ナショジオ入試」を実施! その歴史的意味。
☆首都圏模試センターによると、<成立学園中が来春「ナショジオ入試」を新設!>ということだ。2枚の写真が提示され、自分の感じ方をリフレクションする契機にする。そのとき感じたことの背景には問題が横たわっているはずであり、自分の経験を通して、自分事として問題を深めていくという思考力入試。
☆成立学園では2010(平成22)の中学再開以来、「見える学力」と「見えない学力」の両方をバランスよく育むことを教育目標に掲げ、これらを具現化する特徴的な取り組みとして「アース・プロジェクト」、中でも「ナショナル ジオグラフィック」を使った教養プログラムに取り組んできた。
☆この「見える学力」と「見えない学力」の育成というカリキュラムポリシーをアドミッションポリシーでもメッセージとする新中学入試を開発したということだろう。
☆同じ北区にある聖学院も、すでに思考力入試を行い、大量の写真から自分をリフレクションして、自分のものの見方・考え方を変容させる問いを開発している。
☆やはりカリキュラムポリシーに、オンリー・ワン・フォー・アザーズという自己探究のミッションがあるから、それをアドミッションポリシーでも表現している。
☆さらに、同じ北区にある順天も、来春「多面的入試」というマイプレゼンテーションを中核とした思考力入試を新設。
☆同校もSGH認定校として、カリキュラムポリシーの中にプレゼンテーションを大切にするプロジェクト学習を実施している。
☆このように、カリキュラムポリシーとアドミッションポリシーが密接に連動している思考力入試が、北区で一斉に開花するということは、隣接地帯である、埼玉や茨城、千葉にその影響を与える歴史的な意味がある。
☆そして、何より、入学試験が教育の質を表現する新しい機会になったというのは、歴史的大事件である。
☆2科4科などの教科テストの場合、入試問題は学校の顔であると言われてきたが、実際には、学校の顔の一部であるというケースが多かった。
☆中学受験の大衆化によって、麻布や開成、武蔵のように、カリキュラムポリシーをストレートに表現できた学校はラッキーだった。そのほとんどが、桐朋女子のように、学校の顔としての口頭試問を少なくせざるを得ない状態に追い込まれたように、塾に迎合せざるを得なかった。
☆しかし、2011年以降、迎合していても、必ずしも生徒の応募がうまくいかなっくなってからは、むしろ、学校自身の教育の質を表現することに力点を置き始めるところが徐々に多くなった。
☆その爆発が2018年中学入試に起こるという予兆が、成立学園のような新入試の相次ぐ開設だ。
☆そして、そのような学校を応援する塾も現れた。塾の使命として、私立学校の質を応援する側に回った方が、市場を活性化することにつながるという本来の経済原理に立ち戻りつつある。
☆多様な才能がサポートされる学びの市場として中学入試市場を新たに創出する波は、しかしながら、学校が主体的にならなければ始まらない。成立学園もまた、そのような勇気ある冒険心に満ちた私立学校なのである。
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