« 内臓システムの改革 | トップページ | 思考コードとNVC »

新学習指導要領でブルームのタキソノミーをつかわないわけ?

☆「主体的・対話的で深い学び」「ルーブリック」「カリキュラムマネジメント」を提唱している新学習指導要領。そのことを解説している一方で、アクティブラーニングは昔からやっていたものだとか、ブルームのタキソノミーは廃れたとか同時に語る教育関係者は意外と多い。
Photo
☆実は間違いではないが、決定的に間違っているという自覚がないからだ。言説というのは、常に問い返され続け、新しい見方が付加される場合がある。
 
☆しかし、なかなかそうはいかないから、ブルーム型のタキソノミーとか、アクティブラーニングではなくPBLとか語らざるを得ない。
 
☆しかし、そのように語ったとしても、やはり意味や価値の転換が起きているという自覚がないと、新しい動きは歓迎だが、それは昔からやっているから、決して新しくないのだとショートした言い方になる。
 
☆タキソノミーは、教育目標一覧表から、認知の枠組みにシフトしたのだ。本当は、認知科学をやっているブルームは、その予定だったはず。実際に彼の分厚い本を読めば、膨大な試験問題を分析して、その問題を思考するときの枠組みを分類(タキソノミー)手法で整理していった。
 
☆かなり大きな認知の枠組みだが、日本の学習指導要領では、知識技能の枠組みしかベースにしていないから、ブルームのタキソノミーを教育目標化しても、はみ出てしまう。はみ出たものを評価することは現実的ではない。
 
☆つまり、日本の子供たちの多くを知識技能という認知の枠組みに無理やり押し込んできたのだ。それでいて、ブルームのタキソノミーは使えないと言ってきたのだ。
 
☆法律的には、まったく証明しようのない問題で、どうにもならないが、法的には問題である。もっとも、法実証主義は、その法の部分をチェックできない。やはりここでも、法認識の枠組みが矮小化されてきたのだ。
 
☆そういうわけだから、そんな小さな認知の枠組みは破壊して新しく創造しようよというのが、今なのだ。
 
☆日本では廃れてきたかもしれないが、IBや21世紀型スキルを推進しているオーストラリアやシンガポールなどでは、クラスルームに認知の枠組みとして図表や絵が貼ってある。
 
☆もちろん、ブルームのタキソノミーは、結局、真善美のお話だ。ただ、それが一部の人間の専門領域ではなく、だれでも使えるようになるというのだ。誰でも多様で多角的で俯瞰できる豊かな認知の枠組みを所有できるようになるのである。
 
☆それなのに、廃れるとか、面倒くさいとか、何を言っているのか、了解不能だ。

|

« 内臓システムの改革 | トップページ | 思考コードとNVC »

21世紀型教育」カテゴリの記事