私学展で響いた第5の波の音とは?⑤
☆重要なことは、この帰国生入試をやってきて、6年がたち、自信と実感をもったことは、自分たちの教育の確からしさと同時にさらに自己変容しなければならないという確信だというのである。
☆海外の大学に合格する方向性は、今後当たり前のようになる。これはすでに2014年から急激に開成が推進し、日比谷高校をはじめグローバル10プロジェクトなどのメンバー校である都立高校や都立中高一貫校も、ノルマを課せられるようになるから、当然そういう流れになる。
☆しかし、それは第一義の目標ではない。大事なことは、自分たちが、作り上げてきた探求のためのアカデミックスキルや多様なリテラシーを育成するプログラムでさえも、まだまだ予定調和の部分があったので、それをまったく予想もつかないような探求の道を生徒自身が見出していくプログラムなきプログラムを生み出すことだというのである。
☆つまり、それは、言い換えれば、「グローバル高大接続準備教育」ということだろう。海外にリサーチに行って、多くのインターナショナルスクールの生徒の知的生産活動を見ていて、もはや大学レベルの学びを行っていることに気づいたという。
☆やはり米国のAPのようなプログラムが重要なのだと。したがって、早速、生徒が、教師が想定していないような探求への道をどんどん歩いていけるような強力なプログラムを創り始めているというのである。
☆単純にグローバル学歴社会に拡張するという意味では毛頭ない新しい学びの空間の話である。
☆実におもしろいのは、いわゆる高偏差値の学校がグローバル高大接続準備教育に歩を進めると、偏差値そのものが無化される動きが生まれる。
☆すると、偏差値や大学合格実績を目標としていた中堅の学校の価値がなくなる。そして新しい教育マーケットができる。このマーケットの正当性・信頼性・妥当性を保守する制度設計をすれば、もちろん、これは首都圏模試センターが行うしか今のところないわけだが、さらにパラドクスが起こる。
☆結局、大人数のクラスという概念では、それはできないということになる。まだ見たことのない海にこぎ出でるということは、生徒一人ひとりが違った方向に進むということだ。
☆クラスで、同じ目標を達成しようという価値意識は、大転換せざるを得ない。
☆すると、それを先行的にやっている学校や、もともとスモールサイズで教育を行っている学校がグローバル高大接続準備教育をやっていれば、高偏差値の学校よりもはやくその新たな方向性に進んでしまうという。まるで、ウサギとカメのおとぎ話のような話が誕生することになる。
☆そんなことがあるはずがないとおっしゃるかもしれない。しかし、予測不能な時代だとご自身でもおっしゃているのだから、」そんなことが起こる可能性も否定できないのではないだろうか。
☆いずれにしても、国内だ国外だという境界線にこだわっていると、とんでもない逆転劇が起こってしまう。それでも、まさかと過去の考え方にしがみつくかもしれない。
☆結局、海城のように、自己変容型組織は、そう簡単にマネはできないということだ。だからこそ、自己変容型組織の学校になれば、奇跡を起こせるのである。
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