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学校選択の目【13】都市大等々力の場合

☆東京都市大学等々力中学校・高等学校(以降「都市大等々力)は、今年も人気の共学校。首都圏模試センターの記事「東京都市大学等々力中学校・高等学校2017 「ノブレス・オブリージュ」の精神のもと、最先端の学びを展開 」にその人気の理由が記述されている。

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☆ロサンゼルスの友人から、同校の帰国生の説明会(ロサンゼルスで行われたらしい)の模様を聞いたことがあるが、システムがガッチリできていることに驚いた。因果関係がわかりやすく、だから合格実績が出るのだというわかりやすい説明だったということだ。
 
☆首都圏模試センターの記事を読んで、なるほど友人の感想と同期しているなあと感じた。こんなトーンの記事が随所に記述されている。
同校には「システム4A(授業内容の定着を基本とする学習支援システム)」や「システムLiP(正しく読み解く能力と、人を行動にかり立たせる説明能力を身につける学び)」、「知識構成型ジグソー法(問題解決力を培う協働学習)」など、独自の指導法がたくさんありますが(内容は後述)、名称は難しそうでも、すべて学力を増進するとともに、人間力をも大きく育むことを目的としています。
原田先生:「システムをつくるということは、処方箋を書くようなものです。とても重要なことですが、どんなシステムも生徒に根づかなければ意味がありません。たとえば『勉強しなさい』と言ってみんながスムーズにできるのであれば問題はありませんが、わかっていても動けない現実にどうアプローチするか。それが教員の力になります。そのシステムが機能するかしないかは、最後の最後まで教員が生徒とちゃんと向き合えるかどうかの一点にかかっています」
☆ここに書かれている肝は、原田校長が、「システムをつくるということは、処方箋を書くようなもの」という箇所だ。つまり、システムは道具なのである。ただし、都市大等々力の道具はもっと優れていて機械レベル。
 
☆ノーブレス・オブリージュを大量生産できる優れた教育機械なのである。機械モデルは、合理的で因果関係がはっきりしているから、説得力もあるし、安定感がある。
 
☆しかし、一方で、合理的でありながら複雑系で、ときにはケイオスも含んでいる有機体モデルのシステム作りもある。このモデルは、予想以上に爆発的な何かを生み出す可能性もあるが、そうでない可能性もあり、スリリングではあるが、安心安全な気持ちを優先しない。挑戦の優先順位が高い。
 
☆つまり、自己変容型知性を育成する教育システムであるが、そのシステムを道具として認識しているうちは、不安定である。
 
☆有機体モデルは、システムは存在そのものであり、生徒にとっては道具というより思考そのもの、言語そのもの、人間存在そのもの。
 
☆学校選択者は、安定感ある機械論的モデルの教育システムを選ぶのか、可能性を生み出す存在論的モデルの教育システムを選ぶのか、この秋悩むところだろう。
 

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