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9・10首都圏模試センター「保護者会 in 聖学院(了) 真実の教育

☆聖学院の保護者会で感じたことは、21世紀型教育の推進の拡張とさらなる革新性だが、それを生み出すパワーは、教師のチームワーク以外の何物でもないことがわかる。そして、そのチームワークの力とは、新しい言葉の意義を次々と紡ぎだしている知の生産性の高さで測られる。
 
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☆保護者会では、最初聖学院と女子聖学院の先生方とパネルディスカッション型講演を行ったことは、すでにご紹介した。

☆多くの学校説明会や先生方が実施するセミナーで、いつも感じることは、たいていの学校の教師は、自分の学校の教育活動しか語らないことだ。それが、世界の変化や世界大学ランキングの変化、第4次産業革命などとどうかかわるのか、そして何と言っても変わることの根本は、人間自身であることなどのメタ的言語表現を避ける。

☆しかし、聖学院や女子聖学院の先生方は、いままここで迫りくるグローバルな変化の中に生徒がいるのだという時代の姿を認識し、そこで生徒はどんな生き様を展開することになるのか豊かなイマジネーションを披露する。

☆そして、その光と影を冷静に描きながら、生徒が自己変容していくことをサポートするために、教師自身もどのように自己変容するのかしっとりとそれでいて情熱的に語るのである。

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☆そして、パネル終了後、聖学院自身の説明会になるが、これも清水副校長がファシリテーションしながら、語るべき場面に応じて、次々と教師が登壇してくる。この在り方も仰々しくなく、シームレスで自然な感じですてきだ。

☆それはともかく、たしかに聖学院の教育活動について語るのだが、その活動を通して生徒がどのように自己変容・自己変貌していくか、その成長物語が語られていく。

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☆自己変容へジャンプするには、中学の思春期という長い嵐を生徒といっしょに乗りきらねばならないことを中1から高3まで担任し卒業生を何度も送り出してきた数学科主任本橋先生は語る。その真実の成長物語は、聖学院の教育を背景にしながら、生徒の姿を前面に表しながら語られるのだ。

☆21教育企画部長の児浦先生は、大学合格実績を出す推進者の一人であるが、世界で輝く人間力を養う中で、自分がなぜこの道を歩くのかという内省的動機が内燃するように多様な学びをプロデュースする点を説明。そんな余計な学びをやらずに、受験勉強に集中させるという考え方をする学校が多い中、きっぱりと柔軟に考える頭脳と他者を巻き込む人間力の育成そのものが進路指導だと言い切る。

☆いまここで、世界へイマジネーションを膨らましながら深く考えていく力。そして何より、自らファーストペンギンとしてチャレンジしていく学びそのものに価値を見出せるプログラムを開発している。このアイデアは、もはや聖学院の教育自身が独自のものでありながら普遍的な意味があるものであることを示唆している。

☆そして、その究極の体験をするプログラムが、高等部長伊藤先生によるタイ研修の話。英語の聖学院であるからこそ、英語も日本語も通じない世界の痛みを小さき命が一身に背負わされている場所に生徒と一緒に訪れる。

☆生徒たちは、戸惑いつつも、その小さき命に触れながら、自分たちが開かれ、今まで見たことも感じたこともない大切なものに導かれて深い感動と共感と使命を帯びて帰国する。

☆いかなる境遇にあっても、人間の本物の魂を持っている小さき命。この命を自分たちはどうやって守り切れるのか。それが、まったく難しいことであることを、現地で実感し、打ちひしがれて逃げ帰るようにして帰国する。その自分たちの無力さが悔しいと。そこから、自己変容が起こる。

☆あるものは、ジャーナリズムに進み、あるものは起業し、あるものは国境なき医師団へと医学部に進む。自分が一刻一刻、いかなる生き様を歩むのか常にリフレクションしながら挑戦し生きる意味を生み出していくのだ。

☆ここに真実の教育が在る。

 

 

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