八雲学園の改革 大胆に変わる(1)
☆中学生の生徒たちは、英語でプレゼンテーションするのは難しい。八雲といえばプレゼンテーションなのだと。あっ、違うなあ。いつもは、八雲といえば英語だとくる。もちろん、司会の先生も八雲といえば英語だというのだが、いつもと違うのは、そのあとだ。「ですが、それだけではないのです」と。
☆すると、3か月留学体験者の高2生が召喚されて、プレゼンテーションのモデルを見せるというストーリーが展開された。しかし、帰国生でもなく、八雲に入学してから英語を学んだ高2生が、実にすてきなスピーチをした。いやプレゼンテーション。
☆なるほど、違う。なるほど、プレゼンテーションだ。英語のスピーチではなく、英語でプレゼンテーションをしているのだ。もっというならば、言葉でプレゼンテーションしているのだ。
☆これが、B2英語からC1英語に目標をシフトした理由なのだとすぐに了解できた。彼女は今月末、「ラウンドスクエアの国際会議」に出席するために南アフリカに行く。
☆ラウンドスクエアとは、IB創設者といっても過言ではないクルト・ハーンが形成したコンソーシアム。IBのようなプログラムではなく、世界でそれぞれ最高の教育を志す学校のグループである。そこに八雲は3年かけて審査を受けて加盟することが決まった。
☆年に一度、加盟校が一堂に会する国際会議が行われる。50か国180校の超エリート校集団だ。もちろん、日本のエリート校のような官僚主義的学校ではない。ノーブレス・オブリージュだ。
☆その国際会議とは、世界の問題を高校生がディスカッションするのがメインの会議である。もちろん、ラウンドスクエアの理念である、ボランティアなどの活動も行う。そのほかの理念、国際性、民主主義、体験、リーダーシップなどをトピックにしたアクティビティが山ほど用意されている国際会議だ。
☆彼女はそこでディスカッションするわけだから、英語のスピーチレベルでは議論に入っていけない。議論の中で、メンバーがはっと気づくようなアイデアや新しいものの見方を、間髪入れずに投げ入れ、そのことについて話し合っていくリーダーシップがとれるか、ただ黙って議論の行方を聞いているかでは、彼女の存在に対する仲間の意識が違ってくる。
☆議論に参加しないことは、貢献しないことを意味するからであり、リーダーシップがないとみなされる。
☆そんな人の目を気にするようなことではいけないと思うだろうか。多様性の集団の中では、自分の考えを表現しない限り、存在意義を共有できない。もちろん、たんなる存在として邪険にされることはないが、その意義は、自ら切り開くしかないのだ。
☆だから、八雲といえば英語から英語でプレゼンテーションするステージにジャンプするというイングリッシュ・パフォーマンスだったのだ。共学化の話だったのではないか?誰しも感じただろう。そして、次の瞬間、これは大胆な教育改革の話が始まるのだと気づくのであった。
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