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なぜ公立中高一貫校は人気があるのか! 明日の保護者会に向けて。

☆なぜ公立中高一貫校は人気があるのか?タダだから。というのは違う。それであれば、公立学校はみな同じ条件だ。もちろん、それもあるだろうが、それだけではない。
 
☆進学実績がよいから。というのも違う。日比谷など進学指導重点校に比べれば、まったくだし、いわゆるMARCHクラスは、結構一般の公立学校から入りやすい。何も公立中高一貫校にいかなくてもよい。
 
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☆しかし、この点は、私立学校は少し反省しなくてはならない。大学合格実績が大事だと言っている割には、いわゆるMARCHでは、公立の学校の生徒の方が多く通っているところがほとんどだろう。この段階で、進学実績で公立学校と差別化することができない私立学校がたくさんあるのに、進学実績だと叫んでいるのは、どこか違う。
 
☆進学実績をアピールするなら、東大クラスの国立大学と医学部だけで勝負していほしい。それ以外で比較してもあまり意味がない。
 
☆大学合格実績で学校選択することなど、まったく論外だと私は思っているが、だからといって、入らなくてよいなどと私は全く思っていない。逆に入るのは当然だぐらいに思っている。偏差値ではない。その生徒が探求したいと思っている学問分野で学校は選択すべきだというのもわかる。
 
☆まったく問題ない。その通りだ。しかし、どの大学にもある学部や学科を選ぶなら、自ずと偏差値の高い大学を受けて合格するというのが当然だというのが私立学校だと思う。
 
☆大学に合格させられないのに、それ以外に優れたところがあるというのは、おかしな話だと思う。
 
☆躍起となって、大学受験だけが中高の役割だとがんばるのは全く論外であるが、まったくなにもせず大学受験を軽視するのも論外だ。
 
☆話を公立中高一貫校に戻そう。さて、ではなぜ公立中高一貫校かというと、そのどちらの道もとらずに、きちんと大学合格実績がでる組織を形成中だという点が、最大の人気なのだと思う。
 
☆教養を身に着け、論文編集能力も身につけ、グローバル教育もやり、アクティブラーニングも行い、・・・ときっちり、目標をたて、システム化し、それを自己評価して、改善していく組織作りがしっかりしているのが最近の公立中高一貫校の在り方である。
 
☆それは、サイトで公開されている。誰でも見ることができる。学校の自己評価は努力目標であろうがなかろうが、法律で規定されている。それにきちんと取り組んでいるのが公立中高一貫校である。
 
☆条件付きでしか、規制緩和がなされていない中で、リベラルアーツをやり、アクティブラーニングも行い、成果も出している。その組織体は学習する組織とまではいかないが、組織が形成されているのはよいことだ。
 
☆たとえば、立川国際中等教育学校の自己評価のまとめをみると、分掌に所属するリーダーが連携協働してカリキュラムマネジメントしていることがわかる。
 
☆プロジェクトチームとまではないかないが、教科の主任同士が協力し合っている。いわば、権威的プロジェクトチームだ。
 
☆私立学校の場合だと、なるべく主任ははいらないで、若手教員で組まれる創発的プロジェクトチームのケースが多いが、実はそんなケースは数少ない。相変わらず、一国一城の主型専門教師が自由という言葉をはき違えて、暢気にやっている私立学校も多い。
 
☆そういうところに比較すれば、はるかに公立中高一貫校の方がよいに決まっている。
 
☆もちろん、しかし、私立学校で、強い組織は、公立中高一貫校に比べてはるかによい。組織は、先生方や生徒の才能を創発する支援組織として機能しているからだ。
 
☆そこまでの公立中高一貫校はないだろう。どうしても自治体とのからみがあるから、構造上の解決不能な問題がある。それを往なしながら、主任クラスが協働して先進的なことに挑戦する。
 
☆しかし、よく考えると、そんなばかばかしい創意工夫は本来なくてよい。やりたいことを自由にのびのびとやれる学校がよい。それは、数少ないが私立学校の中にはある。
 
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☆たとえば、麻布だとか、恵泉だとか、数少ないうちの創発型学校だ。事務局が不機嫌な顔で対応したり、高齢の教師が権威を振り回したり、若手教員の中にも何を勘違いしているのか変に頑固な態度をとったりという、およそ民主主義でない態度をとるような私立学校は絶対に選択しないほうがよいだろう。
 
☆縦割り、たこつぼ、過保護の弊害なのだが、その点、公立中高一貫校は、そこは開いていこうとしているし、外部とのネットワークともつながる。教師や生徒の才能を伸ばすサポート組織として機能しているのだ。
 
☆進学重点指導校や公立中高一貫校以外の公立学校はどうかといえば、そういう組織作りはしていない。また、だからといって頑迷固陋な学校もない。どこか監視されているような何かにおびえているような学校は多いかもしれない。
 
☆つまり、先生によって、全然生徒の才能の開かれ方は違う。組織として、生徒一人ひとりの才能を開花するシステムを造ることなど考えていない。
 
☆おそらく考えられない条件が揃ってしまっている。その点公立中高一貫校は、制度上そこはクリアできる。そして、自己主導型知性を積極的に養成するプログラムは組織が判断してつくっている。
 
☆一方、公立中高一貫校以上に優れている私立もある。そこは創発的な組織なのだ。自己変容型知性を生み出す積極的なプログラムを組織がサポートしている。工学院とか富士見丘とか、聖徳学園とか、聖学院とか、三田国際とかがそうだ。2020年、大学合格実績も出るだろう。
 
☆権威的連携組織であれ、学習する組織であれ、組織として教育活動ができている学校を選ぶのが、今後極めて重要になる。
 
☆個人の時代だというのは、ポスト近代的な発想。創発的近代は、個人を支援する組織の強さがポイント。学校説明会に行って、頑迷固陋な教師が闊歩していたら、そこは避けた方がよいだろう。自由をそういう頑迷固陋な教師が自分を守るために壁として活用している学校なんて、生徒にとって迷惑なだけだ。守るべきは生徒の才能なのである。

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