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学校選択の目【1】学校改革が本当に進んでいるか。

☆今、多くの学校で改革プランが立てられ、実行されている。そして、それがうまく回らないとき、改革プロジェクトのメンバーだけが忙しくなり、何もしないで悠々自適とばかり自分の好きなことだけやることを決め込んでいる教師も現れる。
 
☆そのような「雰囲気」の学校では、プロジェクトチームは、縦割りの教科の壁にハネのけられる。しかも、協力するよと頭を縦に振っておきながら、実際には動かない。そして、やる気はあるが、部活があって、教科会議があって、海外研修の引率があって、などなどと動けない理由を積み上げ、プロジェクトチームに、それなら仕方がないですねと言わせてしまう。
 
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☆実に巧妙だが、これはある種のいじめそのものだ。こういう学校は授業で子供に対してもそのような陰湿な手をつかっているから、選択しないほうがよい。
 
☆また、建学の精神を大切にしつつ、改革をしようという命題を語っている学校は、実際には改革がうまくいかない。というのも、建学の精神に反対するメンバーは、そもそもその学校にいない。したがって、建学の精神を大切にしているから、別に改革する必要がないというスキをつくってしまっている可能性が大だ。
 
☆かくして、学校改革がうまく動き出す学校は、カリキュラムや教育活動を見直し、編集と同じように、削除するところは削除し、統合すべきところは統合するという見直しが必要だ。
☆それをしていない場合、教科の授業ではできないから、オプションをつくり、そのプロジェクトチームをつくろうということになりがち。つまり、仕事が増えるし、仕事がプロジェクトチームに集中して、学校改革はとん挫する。
 
☆そうしないためには、プロジェクトチームが自在に動けるように時間を確保するマネジメントが必要だ。そして、プロジェクトチームが何か直接プロダクトするのではなく、教科の授業がプロダクトできるように新しい授業方法をコーチしたり、教科横断型のプログラムを教科に持ちかけたりコーディネートするチームにしなければならない。
 
☆縦割りの校務分掌を縦糸と横糸で織り込むディレクターの役割がプロジェクトチーム。ほとんどの学校でやっているプロジェクトチームは、名前はプロジェクトだけれど、新たな分掌の枝が増えただけ。教師の数が増えるわけではないから、仕事がやたら集中する先生が出現する。その教師がどうなるか?諦めるか、辞めるか、心が折れてしまうか、職場や仕事を変えるかだろう。
 
☆そういう先輩をみている若い教師は、何も言わなくなる。次の職が探せるまで、寡黙になり、動かない。こうしてサイレント・キラーは出来上がる。
☆やる気はあるけれど、忙しくてできないとできない理由を山積みする教師もサイレント・キラーだ。
 
☆時間のマネジメントこそ重要なのだ。時間泥棒に負けるな。モモの時間を大切にしよう。もし、こうして改革が進めば、それは、その学校の改革だけでは終わらない。
 
☆それは、強欲資本主義経済を創造的資本主義経済に転換する種となる。種はやがて、発芽し、成長し、実を結ぶ。その実は、飛翔し、世界を変える。IB(国際バカロレア)がそうだったように、はじめの1校の挑戦が、世界を変える例は、たくさんある。

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