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八雲学園の改革 大胆に変わる(2)

☆本日18日(月)、八雲学園は中学説明会を実施した。来春から共学校になり、英語教育や進路指導を骨太のグローバル教育に結びつける。
 
☆授業もPBL(探究)型に転換し、それによって、もともと探究型だった多様な行事が明快に、探究行事的要素を前面に出すことになる。学習アドバイザーとしてのチューターも、深い学びのファシリテーターの役割も果たすことになる。
 
【図A】
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☆つまり、【図A】の八雲の改革のコンセプト図の背景には、重要な改革事項がたくさんある。それを説明会で丁寧に語ったわけである。その背景を私なりに補ってみると、【図B】のようになる。

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☆複雑になって、わかりにくいから、コンセプト図はシンプルに表現している。しかし、21世紀型教育をも含む未来への創発政治経済社会は、「モノよりシステム。要素より関係。」にパワーシフトしている。こうなると、当然複雑系だ。イージー(easy)とシンプル(simple)は違う。イージーは単純で複雑な関係は織り込まれていない。シンプルは背景は複雑系なのだ。

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☆大胆な改革とは、たとえば、MITメディアラボの所長伊藤穣一氏の最近邦訳された著書「9プリンシプルズ」にあるように、マイナーチェンジではなく、パラダイムチェンジのことを示している。

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☆八雲の改革の背景を含む【図B】には、この「9シンプルズ」が込められている。もちろん、伊藤穣一氏の考えを意識的に参考にしてはいないだろう。しかし、八雲学園が連携しているケイトスクールや国際的な私立学校コンソーシアムであるROUND SQUAREの根源的な教育理念は八雲学園ともともとシンクロしている。

☆このような私立学校グループは、MITメディアラボの根底にあるコンストラクショニズムとは親和性がある。アメリカプラグマティズムのベースでもあるから当然である。

☆そして、2020年大学入試改革やそれに伴う、学習指導要領の改訂の基本的なものの見方や考え方も、この流れを大いに参考にしている。

☆ただし、明治維新以降の教育を保守し続けている文科省の奥の院では、ルソー―ヘーゲル―ピアジェ―コールバーグ―ローティーハーバーマス―シーモア・パパートー・・・伊藤穣一氏の思想的ベースである啓蒙思想は否定し続けてきた。

☆それゆえ、文科省の改革はいつも自己撞着的で、振り子のように行ったり来たりで、先に進むことが難しいという歴史的呪縛がある。

☆もちろん、無意識だろうが、明治期の法典論争以来の制度設計の枠組みが変わったとは聞いたことがないから、実際には国による改革は難しいと想定できる。

☆これでは、日本の教育は、ダメになる。2020年大学入試改革は、それを回避するために、そして、呪縛から解かれるためにも、やらなければならない歴史的要請である。

☆しかしながら、いやそれがゆえに、もし、国が骨抜き改革をやることになってしまったときには、明治期も、大正期も、戦前も戦後も、そして今もそうであるように、啓蒙思想の系譜をたどる私立学校が、再び立ち臨まなくてはならない。

☆伊藤穣一氏は、イノベーションの重要性を説きながらも、21世紀に入ってからのイノベーションがテロや経済犯罪に悪用されることをいまだに回避できるシステムを完成させていないことに警鐘を鳴らしている。そして、そうならない正義をどのように織り込むか未来に向かってさらに歩を進めている。「9プリンシプルズ」の中で「正義」という言葉がでてくるわけだ。

☆一方、明治以降の日本の国の立場である法実証主義や法律進化論では、正義という概念は不要なのである。システムが判断することが正しいからである。

☆八雲学園が、なぜIBではなく、ROUND SQUAREに加盟する方を選択したのか。IBもROUN SQUAREも、創設者は同じクルト・ハーンである。

☆そう、私立学校の系譜とシンクロするのはROUND SQUAREの方だからだ。まだまだ日本の教育界は暢気に構えているが、THE世界大学ランキングでも日本の大学の評価は全体として悪くないが、レベルが高いという評価もされていない。

☆端的に教育に投資できない国力の低さを批判されている。形式的平等教育の限界が、今後も続けば、私たちの子供の未来をいまここでつぶしていくようなものである。八雲学園の大胆な改革への意志は、この重大な問題から生まれている。

☆このような変化に敏感な高センサーをもった保護者と受験生が多く集まった。海城学園や三田国際の説明会会場の広さだったら、満杯だっただろう。八雲の説明会会場は、そこよりも1,5倍の広さだ。かつて、この広さを満席にまでした八雲学園。

☆まだまだ八雲学園を見てほしい。目先にとらわれていては、未来を見失う。これからの子供にとって、今は緊急事態だということを決して忘れてはいけない。

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