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学校選択の目【34】工学院の教師力 学校選択の決め手は結局教師力(3)

☆工学院の授業は、PBL(Project based Learning)型。このPBLは、世間では、アクティブラーニングとも混同されるし、正解のない問題を学ぶという、当たらずといえども遠からずではあるが、微妙にズレている感覚も広がっている。
 
☆PBLは、要するにクリティカルでクリエイティブな思考と生産に到達する学びのシステム。スタイルとか学び方とか、そういう要素をすべて包括している有機的な学びのシステムなのだ。
 
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(平林先生の社会の授業は、学年が上がるにつれて、PBLの密度が濃くなる。)
 
 
☆たしかに能動的な学びでもあるけれど、それは読解だって、傾聴だって能動的であって、どうもカタチだけのアクティブラーニングとは工学院のPBLは違う。深イイ問いをみんなで考えるというのも間違いではないが、それも学びのシステムの一部である。
 
☆たとえば、平林先生の中1の地理の授業では、世界の国旗を調べていたが、ここで、国旗のデザインと国名をマッチングさせるだけが学びではない。
 
☆色やシンボルの意味を、webで調べていくわけだ。すると、そこには宗教、理念、歴史、文化などあらゆることが詰まっていることがわかる。
 
☆当然、それについてチームで議論しながら探っていくのだが、果たして深イイ問題であろうか?正解のない問題であろうか?能動的でないなんてことがあろうか?これは、実はマインドマップを活用した事実や現象、言葉の背景の構造化というメタ認知の学び。
 
☆いわば、クリエイティブブレインを豊かにする学び。平林先生の授業は、そのあとにプレゼンというクリエイティブアクションにシフトする。そして、大きなテーマの時にはレポートを編集してプレゼン用のキーノートや動画を作成する。つまり、クリエイティブプロダクト。これらが、いつも三点セットで授業で展開されるわけではないし、する必要もない。しかし、クリエイティブでクリティカルな頭の使い方は必ず授業で展開される。
 
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(鐘ヶ江先生のPBLは、数学的感性や直感を大切にする。そのためには、生徒が没頭する環境を創る。チームにしたり、一人で考える空間にしたり。この空間の変換にクリエイティブブレインの活性化のカギがある。)
 
☆この思考領域を工学院では思考コードでC1C2C3と呼んでいる。C思考=aCブレイン+bCアクション+cCプロダクトという方程式で仮に表現しようか。a、b、cは係数で、b、cが授業によっては0の場合もある。それでも、C思考=aCブレインは稼働しているわけだ。
 
☆だから、矢野先生や鐘ヶ江先生の数学の授業を見ていると、その教科の性格上、Cプロダクトを始終やるわけにはいかないが、必ず想定外のケースを考える問いを用意している。
 
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(矢野先生の数学の授業は、実に逆説的なのだ。チームで学んでいるがゆえに、生徒一人ひとりの特徴をつかむことができる。この協調性と一人ひとりの思考の逆説的な思考の流れが、クリエイティブブレインを活性化させるカギ。)
 
☆応用問題とか発展問題ということもできるのだが、それよりも意外性という問いの設定が、クリエイティブブレインを活性化させる。
 
☆さて、中1中2では、工学院のPBLは、C思考=aCブレイン+bCアクション+cCプロダクトという方程式で成り立っている。
 
☆しかし、中3高1では、C思考=aCブレイン×bCアクション×cCプロダクトという方程式に進化していく。
 
☆平林先生の中1の授業と中3の授業では、クリエイティビティの密度が違っているのは、足し算から掛け算にシフトしていくからだ。
 
☆前回紹介した中3の田中先生の授業も掛け算いなっている。掛け算は確かにクリエイティビティの密度が高くなるのだが、失敗すると0にもマイナスにもなる。つまり、係数の度合いがマイナスとか0だとそうなる。
 
☆したがって、教師の側にとっては、実にリスキーだし、それだけスリリング。よくアクティブラーニングは効果があるのかと世の中で騒がれるのは、はじめから掛け算で行こうとするからだ。やはり「序破急」のテンポは大切で、最初は足し算。あるとき突然掛け算が成り立ち、あるときおもしろいぐらいが係数が大きくなる。
 
☆この係数。実はモチベーション。工学院では、Growth Mindsetを常に仕掛けるが、それが内発的に行われるようになると、係数は爆発的に高くなるわけだ。
 
☆PBLを行っていて、あるとき、生徒同士のディスカッションが濃厚になる時期がくる。そのとき内発的なGrowth Mindsetが起こっているのだ。
 
☆ということは、PBLのような機会がなければ、クリエイティビティは、生まれないし、高まらないということでもある。
 

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