学校選択の目【35】和洋九段女子 いまここで未来を創る教育
☆和洋九段女子の授業を、中1から高3まで拝見する機会を得た。同校が21世紀型教育改革の準備を行ったのは昨年。改革本格実施はまだ1年目。にもかかわらず、
21世紀型教育=
man for otheres(C1言語×PBL×ICT×リベラルアーツ教育の現代化)×建学の精神
☆という方程式がものすごいスピードで完成しつつある。
☆上記写真は、フューチャールームでの中1の地理の授業。地図記号がどうしてできたのか、知識を創るところからPBL。知識を覚えるから知識を創るというプロセスを発見することへシフト。これこそリベラルアーツの現代化プロセス。
☆ところがである、さらに驚きなのは、実は地理の授業ではなく、数学の授業だというのだ。導入部で地理の地図記号を探す作業は、線対称と点対称の図形が地図記号に多く使われているというトリガーが隠されていたのである。
☆中1から高2まで、その多くが、このようにワクワクするPBL型授業を行っているのである。本来は、中1だけで行ていたとしてもおかしくない。しかし、中学は全員が一人一台タブレットをもって授業に臨んでいる。
☆英語も、中3ですでにエッセイライティングに取り組み、発想、論理、編集、プレゼンを生徒同士協力しながら展開していく。
☆高3は、大学受験のための授業だから、一方通行の講義形式かと思っていたら、川上先生の授業のように、21世紀型授業を進めている先生もいて驚き。高3であるから、逆に課題解決型の授業がやりやすいというのかもしれないことを実感。
☆高2までに身につけてきた知識を構造的に組み立てるという意味で、基礎学力を土台として活用できるからであろう。もちろん、高3は、さすがに問答形式のアクティブラーニング型の授業が中心になるが、アクティブブレインを活性化させることが最優先であるから、当然だ。
☆今の時期の高3にとって、最優先の課題解決は、まず自分の道を拓く大学に合格することなのだから。
☆数学もPBL型授業がガンガン行われていた。解き方のシェアという授業もあるが、それは公式や問題の解き方だけではなく、自ら目の前の現象を分析するために方程式を創り出す授業。方程式を自分たち創るディスカッションは、とても盛り上がっていた。
☆PBLは、世界への探究である。世界で起こっている様々な問題をいかに解決するか、協働して、深く思考することに目的があるし、それは第4次産業革命の時代に突入する現在の生徒にとっては、いまここで実効的なイメージを創っていかなければならない学びの場でもある。
☆そのような環境の中で、数学の授業は、逸品だった。方程式をつくるという、ニュートンであれば、それは世界を創ることであると論じたであろう数学の根本原理を、身近な事柄から始めていく。身近な現象と宇宙の現象をつなぐ根本原理。
☆一次関数や二次関数。瞬間という時空と持続可能な時空の統合的世界。それは微積の領域にやがて統合される。そんな世界を統合する発想を学んでいたのだが、それが、お寿司のネタのトビッコの数をいかに計算するかという思考から始まった。
☆比例を利用することで効率的に結果が分かることに繋がっていく授業だったそうだが、比例関係という数学の基礎が、世界を構築する数学的原理に結びついているとは、驚きの授業と言わなくてなんと言うのだろうか。
☆ネルソン・グッドマンの「世界制作の方法」を思い出した。授業という一瞬に、世界につながる思考が養われていく和洋九段女子。そこに「希望」の火がたしかにともっていた。
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