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学校選択の目【46】順天の人気の理由 ルーブリックの大きな役割

☆今、中学受験市場で、順天中学校・高等学校(以降「順天」)は注目されている。首都圏模試の「統一合判」の志望校動向も、説明会の参加者の数も昨年よりも増えている。
 
☆その理由について、片倉副校長は、授業を中心とする教育活動において、教師と生徒の双方向的なコミュニケーションの浸透度とその質にあると明快に語る。
 
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☆双方向的なコミュニケーションの浸透度はわかるが、その質とはいったいなんだろう。副校長はいっしょに授業見学をしながら、一つ一つ解明してくださった。
 
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☆中3のポスターセッションでは、自然について自分の好奇心が揺れ動いた素材を多角的に調べて、新しい発見をして、それを探求していくという授業だったが、中学という段階では、人間関係をつくるスキルを形成して、協働性というマインドを豊かにする足場づくりを理科の授業でも行っている。その関係性の中で、新しい何かを発見する主体性が生まれ、創造的学力を拡大していくということだ。
 
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☆年々帰国生や英語経験者の入学が増え、多様性を大切にするマインドと、そのマインドを支える国際対話力のスキルを学ぶ英語4技能の環境も整ってきたと。
 
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☆実際に、中学生の段階で、すでに、英検1級を取得し、CEFR基準でC1レベルの生徒もいるという。
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☆この時期高3であるにもかかわらず、PBL型授業で、英語でニュースを編集する余裕の授業も展開されていた。創造的学力、国際的対話力、人間関係力という3スキルとそれに対応する主体性、多様性、協働性の3スキルをフルにつかいこなす順天のウィズダム集大成という授業だった。
 
☆数学や物理の授業も圧巻で、生徒たちは、パラドクスを解くクリティカルウィズダムとしての3スキル×3マインドをフル回転させていた。世界史の授業でも、現代政治史的な大量の写真を歴史的順序で並べ替え、政治のパラダイムの流れを追究する問題を考えていたが、この生徒の様子を、担当の先生は「アクティブブレイン」になっているところですよと教えてくれた。
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☆順天の人気の秘密は、なるほど、この双方向のコミュニケーションがどの授業にも浸透していて、その質が3スキル×3マインドというクリティカルウィズダムによって担保されているということが、教師のみならず生徒も共有しているところにあった。その結果、極めて教師も生徒もポジティブで明朗活発なのだ。授業が生きている!と感動した。
 
☆片倉先生は、授業を案内してくれながら、「この3スキル×3マインドは、もともと順天の教師の潜在的な力としてあったものだが、SGH(スーパーグローバルハイスクール)の取り組みを通して、可視化できた大きな成果。SGHでは、この3スキル×3マインドに基づいてルーブリックを形成している。普段の授業では、ルーブリックで振り返る作業は時間的に難しいが、生徒は、頭の中で、3スキル×3マインドを意識して思考することができる」と確信している様子だった。
 
☆コミュニケーションの重要性は誰でも語ることができるが、コミュニケーションの質を生み出すシステムについて、これほど明快に語れる先生にはそう頻繁に会うことはできない。
 
☆しかし、順天の先生方は、暗黙知としてのみならず、ルーブリックとして可視化できているのだ。多くの受験生や保護者が、納得のいく話だし、何よりコミュニケーションの質の保証の話には共感共鳴共振せざるを得ないだろう。
 
☆そして、大学合格実績も、このような双方向的なコミュニケーションによる授業によって伸びている。もちろん、従来型の大学入試に対応する受験戦略対策も行っている。大事なことは、対象となる入試の分析を3スキル×3マインドで分析して、予想をたてて、作戦を練る問題解決能力なのである。20世紀型学力か21世紀型学力かどちらか一方ではない。入試問題によって柔軟に学び方を変えることができる知恵が肝要なのである。
 
 

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