学校選択の目【50】海城の時代(1)
☆同校の教育の内容やそれを支える建学の精神や理念については、すでに中田先生をはじめ、多くの若い先生方が各種メディアで語っているし、教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏も機会あるごとに語っているで、そちらを参照してほしい。
☆私は、海城の未来を、独断と偏見でスケッチしてみたい。ざっくり海城の教育改革の歴史的順序を眺めると、世の中受験戦争だとかいう言説で語られる時代、中高生の心の荒廃が校内暴力として噴出したときに改革の火はともった。
☆当時、海城学園をはじめとする多くの私立学校が東大を頂点とする学歴社会の中で勝ち組負け組競争を行っていた時代、その状況に疑問をもった見識者が海城学園にいたということなのである。
☆疑問に思うぐらいだったら、世論や教育評論家やメディアも大いに発進したが、学校現場は、気づいたら動くか動かないか決めなければならない。海城の場合、時代が、なんとかっしろとばかりに、他人事のままではいられない事件を与えた。
☆それゆえ、海城は自らを変容させて、時代のその要請に応えることにした。その第1期改革が、「新しい学力」づくりへの取り組みである。単なる受験学力だけではなく、骨太の論文が書けるような、問題発見へのセンス、解決のための発想、実現への論理的な展開など、2020年大学入試改革でようやく重視されるようになった「主体的・対話的で深い学び」の領域に着手したのである。
☆それがあの「社会科 卒業論文集」に結晶され、今も毎年冊子が発行されている。海城学園の凄いところは、今のところ改革は3期目なのだが、第1期の改革で実践されたことが、2期、3期と継承されているということ。
☆そして、説明しづらいので、継承されているとか積み重なられていると表現せざるを得ないが、PCのソフトのバージョンアップとリレーショナルな拡張性の進化のように、改革されるたびにバージョンアップされ、システム循環がパワーアップしているのである。
☆たとえば、マイクロソフトのPCでいえば、オフィスのパワーポイントが、OSのバージョンアップと共に使いやすく、動画やネットなどのリンクがスムーズになったりしているが、海城学園の第1期の改革の「新しい学力」も同様な進化をし続けているのだ。
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