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「選択」ということ

☆中学・高校受験生にとって、そして、大学受験生にとって、今はまさに「学校選択」の真っただ中。そして、本日は衆議院選挙の投票日。メディアは「選択」の結果であふれる日である。
 
☆そして、「選択」というのは、「価値意識」の表現であるから、そのメカニズムは、「学校選択」であれ、「選挙」であれ、「政策決定」であれ、かなり共通点がある。
 
【価値選択座標】
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☆私の小論文指導は、生徒といっしょに、この【選択価値座標】という視座をつくるScaffolding(足場づくり)から始める。最初のこれが結構時間がかかる。
 
☆そして、生徒自身のポジショニングを決定してもらうのだが、やはり迷う。というのは、この座標系には、「生活基盤」と「ライフスタイル」と「意思決定基準」が3つ重なっていて、どの局面も同じ場合の図になっているから、3つとも重なっていない場合、迷うのである。
 
【図1】
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☆つまり、【図1】のように、たとえば、生活基盤もライフスタイルも意思決定も「コンサバ」というように重なる場合の図になっている。一般には、このように、3つのフェーズとも同じというパターンが「一貫性」があるといわれてきたし、欧米は、わりとこのパターンが多いのかもしれない。一神教的背景があるからで、原理主義的な傾向は、こういうところから表れてくるのかもしれない。
 
【図2】
 
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☆一方、日本の場合は、インドネシアなどで、あなたの宗教は何ですかと聞かれて、どう答えたらよいのか迷う日本人も多いというところから、日本の価値決定のプロセスは、「生活基準」=「ライフスタイル」=「意思決定」という同一性原理ではなさそうである。
 
☆【図2】のように、みんなバラバラとか、3つのうち2つはいっしょということがあるのかもしれない。さすがは無神論も含め多神教の国。もっとも、現実的には、一神教か多神教かという違いよりも、階級構造と階層構造の社会構造の違いなのかもしれない。
 
☆小論文の場合だと、自分軸はどこにあるのか、決めるのだが、それは、この3つの関係総体としての自分軸で、座標の1つの象限に重ねることではない。もっとも、重ねるというのも関係総体の一つのパターンなのではあるが。
 
☆したがって、私が小論文の指導をする場合、ほとんどがワークショップになってしまうのだが、このスタイルは、帰国生(大学入試)の小論文の指導の依頼が多いからでもあった。
 
☆実は、経験上、帰国生で東大や一橋に入る生徒は、3つのフェーズとも重なるというシンプルなケースが多いのである。小論文が、その方が書きやすいということもある。自分軸が同じ象限の関係で形成されているから、小論などの思考力系の問題を考えるときに必要なクリティカルシンキングとしての多角的な考え方を構築しやすいのである。自分とは違う3象限の中から選んで、想定問答をやればよいからである。
 
☆ところが、帰国生でも【図2】のようにフェーズが違う相関関係になっている場合は、対立軸のはずのケースに自分が賛成して、自分軸がブレているように見える。それが、論理的思考をショートさせ、書きながら迷走してしまうといことになってしまう場合がしばしばである。
 
☆そして、実に興味深いのが、国内生の小論文。Scafflolding段階で、あっさり、一つの象限を決めて、あっさり書くのだが、それがライフスタイルのフェーズだけで、ほかのフェースについては実感がない場合が多い。
 
☆「経済基盤」について、システム思考をしたこともないし、「意思決定」という行為の体験も少ない。それゆえ、心を打つ関係態としての小論文にならない。
 
☆それで、大急ぎで、Scaffoldingを再開する。「生活基盤」に関しては5つの89年の歴史的流れを通時的に共有し、それを、サンデル教授をヒントに共時的な「価値選択座標」に変換していく。
 
☆もちろん、上記の【価値選択座標】は、私の仮説だから、生徒が自分で創って構わない。しかし、だいたい似たものになる。帰国生の場合は、これに思考コードをあまり意識しなくても高次思考の段階にあるが、国内生は、思考コードを意識するところから始める場合が多い。
 
☆ただし、最近SGH(スーパーグローバルハイスクール)の環境にいる生徒の小論指導で、気づいたことは、英語がまずすでにCEFR基準でB2以上なために、思考コードを意識することなく、高次思考はあたりまえというケースが多くなってきている。
 
☆たしかに、グローバル教育の流れは、日本にも広がっている。がしかし、それは中高生のうちまだ10%いくかいかないかなのである。
 
☆おそらく、日本の多くは、「生活基盤」はコンサバ的発想で、「ライフスタイル」はリベラル的な発想のうちとくに形式的平等主義で、「意思決定」は「コンサバ」という安全安定志向が強いのだろう。
 
☆ところが、10%は、「生活基盤」も「ライフスタイル」も「意思決定」もコンサバ的発想というケースが多く。今その中で、20%くらいであるが、「生活基盤」はコンサバだけれど、「ライフスタイル」はリバタリアン的で、「意思決定」は、コミュニタリアニズムという21世紀型世界を描く、クリエイティブクラスが生まれてきた。
 
☆おそらく、世界大学ランキングの上位の大学職員というのは、このタイプが増えているはずだ。一神教か多神教か、階級構造か階層構造かという二項対立で世界を見る時代は、世界同時的に多次元フェーズで見る時代にシフト、そしてその関係態の中で、どの方程式が最適かが問われる時代なのだろう。数学の時代ということなのだろう。それゆえ、AIが進化しているのではないか。
 
 

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