リクルート「キャリアガイダンスVol.419」がおもしろい!
☆リクルートの「キャリアデザインVol.419」が痛快におもしろい。いつも思うのだが、さりげなく、希望の道標というフロントメッセージで、その後の取材内容を全部ひっくり返してしまう、脱コード化が仕組まれているからだ。
☆今回は、日本の国際協力活動家である永井陽右さんが登場。早稲田大学時代に、日本ソマリア青年機構(JSYO)を立ち上げた。世界最悪の紛争国と謳われる「ソマリア」に対し、日本で唯一現地で活動する学生NGO。今は、特定非営利活動法人アクセプト・インターナショナルと名称を変え、代表理事。
☆ソマリアにてソマリア政府と国連と共にイスラム原理主義組織アル・シャバブの兵士の脱過激化や社会復帰支援を行っているという。その仕事のすさまじさは、まさに時間泥棒が構築してきた強欲世界システムと対峙する覚悟と実践。
☆しかも、これは心意気だけではできない。早稲田大学卒業後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス,の大学院に進み、きちんと Conflict Studies(紛争研究)を研究した。
☆そういう、覚悟と理論と実践を統合した活動は、さて「働き方改革」の射程に入っているのだろうか?いきなりフロントメッセージで、読者に突き付けてくる。
☆特集記事で取り扱われている各学校の取り組みもすばらしいが、永井さんの活動に比較するとかすんでしまう。
☆ある意味、それは時間泥棒との調整をいかにするかという「働き方改革」。一方でそれでは、そのシステムが作り続ける格差はなくならないことを、永井さんは静かに行動で語ってしまう。
☆学校の「働き方改革」が、永井さんのような人間力を育成するというのなら話は別だが・・・。
☆永井さんの出身高校は藤嶺藤沢という男子校である。生徒全員が剣道と茶道という一瞬の判断力と意志力を育成する環境がある。この学校の教育の影響を受けたかどうかわからないが、世界で一番困っている国の人々の痛みを、永遠の瞬間さながら、引き受けるあたりは、何かしら影響はあったのではないか。
☆それにしても、覚悟と実践だけでは、やはりコトは成就しない。理論的なスキルも必要なのである。それが、日本にはない。覚悟と実践という精神論で終わってしまう。つまり、解決の糸口という希望がないのだ。永井さんもあの希望の国のエクソダスの少年の一人なのだろう。
☆ともあれ、イギリスなどに留学しなければ研究できる環境がない。もっと世界を視座に入れる学校の働き方改革はないものか。そうリクルートの編集部はさりげなくそして強烈に突き付けるのである。
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