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文科省はなぜブルームのタキソノミーの活用を明言しないのか?

☆2009年前後から、国立教育政策研究所は、ブルームのタキソノミーやそのバージョンアップを企てた多くの学者の成果を研究し、学びの発達段階あるいは深まりゆく学びの過程を盛り込む新学習数指導要領の参考情報を作り上げている。学習指導要領の論理的基盤作りといってもよいかもしれない。
 
☆そして、それは、「主体的・対話的で深い学び」というアクティブラーニングという表現を置き換えた文科省独自の文言にきちんと反映している。
 
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(首都圏模試の「思考コード」)
☆たとえば、「深い学び」については、≪習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の 特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思い や考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が 実現できているか≫となっている。
 
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(東京女子学園の「地球思考コード」を学内の教員研修で語る同学園理事長・校長實吉先生)
 
☆同語反復的な表現ではあるが、ブルームのタキソノミーの「知識・理解」「適用(応用)・分析」「総合・評価」という学びの過程を表現するそれぞれの段階目標に、「習得」・「活用」・「探究」がおのおの対応している。あるいは、「知識を相互に関連付けてより深く理解したり」「情報を精査して考え を形成したり」「問題を見いだして解決策を考えたり、思い や考えを基に創造したり」におのおの対応している。
 
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(東京女子学園の「地球思考コード」)
 
☆だったら、ブルームのタキソノミーをそのまま活用したほうがはやいではないか。わかりにくい文言は、その学問的背景を知らなければ、使い手によって活用方法は変わってくるし、そもそも「知識・理解」の「理解」の中に「活用」「探究」の過程を包摂してしまい、結局新学習指導要領をつくったところで、現場では、昔からやってきたことで、何も変わらなくてよいといういつものパターンが跋扈してしまう危険性がある。
 
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(静岡聖光学院の「思考コード」)
 
☆しかし、文科省としては、それは学校の問題であり、教師の力量の問題で、「理解」を深めてくれるなら、それでも別段構わないのだということだろう。それに、1人の学者やその学説を、学習指導要領に明言することは、そもそもしないのだ。多様な見解をリサーチして、最大公約数的な文言を独自に考案して掲載するのが文科省の慣習ルールである。
 
☆そんなわけで、文科省はブルームのタキソノミーをそのままの文言で書き込みはしない。だから、そこは法解釈よろしくやるしかない。
 
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(工学院の「思考コード」)
 
☆文言通り現場に適用する法実証主義的姿勢か、損得勘定ベースの功利主義的な考え方に基づくのか、文言の背景にある学問的見解、政治経済的な変化に対応する技術革新に対する考え方や社会的問題を解決する使命などなど考慮して、解釈していく法哲学的・法社会学的解釈に基づくのか、最高善という正義をベースにする自然法論的哲学に基づくのか。
 
☆それは価値の多様性の問題であり、そこは神々の闘争の場で、文科省は門外漢であるということだろう。だから、自由に解釈すればよいのである。がしかし、公立学校は、自治体に考えを集約してもらいながら、その限界内でやっていくしかないし、一方私立学校は独自の考えで、それでいて世界標準の基準に適合するように自由に考えていくのであろう。
 
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(三田国際の「思考コード」)
 
☆「思考コード」なるものが、各私立学校独自の世界標準基準モデルとしてどんどん生まれているのも、首都圏模試センターが多次元偏差値に移行するパラダイム転換のテコとして「思考コード」を作成しているのも、私立学校の知の動きと民間の本物の知への渇望がシンクロしているからであろう。

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