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伸びる学校組織の4つのタイプ 世界を変えるタイプは?

☆生徒に人気がある学校は、学校組織もパワフルになる好循環を内燃させられる。しかし、そのパワフルになる特徴は4つのタイプにわかれるから、学校選択者の価値志向も4つに分かれると推測できる。
 
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☆まず学校組織のタイプだが、そのタイプを形成する要素を、「現実主義」、「理想主義」、「柔らかいコミュニケーション」、「硬いコミュニケーション」として、上記の図にしてみる。
 
☆すると、学校組織の特徴タイプが4つできる。「柔らかい現実主義」「柔らかい理想主義」「硬い現実主義」「硬い理想主義」。この特徴のタイプというのは、その学校組織の土台となる価値意識と置き換えることもできる。
 
☆受験生や保護者が学校を選択するとき、自分たちの価値意識と共感する学校に導かれる。意識していてもしていなくてもそうなる確率が高いが、意識していないがゆえに、入学してから、こんなはずでなかったということも起こりうる。
 
☆それはさておき、戦略的な学校は、マーケティング的発想で、どの価値意識が市場で占められているのか調べる。一方未来志向の創造的な学校は、新市場を創出するけん引役を果たそうとする。人気のある学校は、このいずれかであるが、ほかに勝ち馬に乗ろうとする学校や伝統保守にこだわる学校がある。
 
☆さて、11月3日の首都圏模試センター「統一合判」の志望校登録者数で、前年対比増の124校を上記の4つの項目、4つのタイプで集計してみた。その124校については、前回と前々回にリストを並べておいた。
 
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☆4要素をみると、やはり柔らかいコミュニケーションを組織の行動特性としている学校は、人気があるということが、改めて了解できる。次に現実主義が多い。現状の中学受験市場は、現実主義と柔らかいコミュニケーションがポイントのようだ。
 
☆しかしながら、理想主義で柔らかいコミュニケーションの行動特性をもっている、つまり、」柔らかい理想主義の行動をとる価値意識をもっている学校も選択されている。
 
☆実は、柔らかい現実主義も柔らかい理想主義も、変化を受け入れるという点では、同じだ。硬い現実主義は、変化を受け入れるのではなく、変化に合わせる価値意識が高い。硬い理想主義は、市場がどう感じるかどうかは関係ないという言動をとりがちだ。
 
☆では、柔らかい現実主義と柔らかい理想主義はどこが違うのか?それは変化の受け入方が違うのである。現実主義は、未来を遠くに見定めて、現実を通して、未来が変わったときに生徒が対応できる基礎学力や教養を身に着けることに主眼がある。
 
☆柔らかい理想主義は、いまここで未来を創るスキルや創造的思考を身に着けるプログラムを開発することに主眼がある。
 
☆前者は、基礎学力や教養を身につけておけば、変化に対応できるだろうと信じている。しかし、その確率はそう高くはない。だから学歴社会ができたのだ。
 
☆後者は、その確率を高めるためにいまここで未来を生徒と共に描き、活動を共にする。もちろん、そのスキルやビジョンは、実際に未来がやってきたとき、違っているかもしれない。しかし、そこまで想定しながら学んできたことは、学歴社会をつくってきたスキルや教養よりは、多くの生徒が未来の変化を受け入れたり、創っていくことができるはず。ここでも結局は可能性。確率論ではある。
 
☆だから、そんな可能性にかける不安を抱くのはいやだから、いまここでだけに集中したいという硬い現実主義もあるだろうし、いつの世も変わらない普遍的な理想があると固く信じる硬い理想主義もある。
 
☆しかしながら、目の前で社会や世界は激変しているものだから、さすがに市場は、この硬いコミュニケーションの領域にある学校に導かれることは確率は低い。それでも、18.6%はある。これは圧倒的な大学合格実績があるか、ブランド力があるかなどの理由が選択判断になっているからだろう。
 
☆しかし、時代は大学合格実績とブランドだけで選ぶのではないということは、上記の表ではっきりしてきているのではないか。
 
☆問題は柔らかい現実主義の学校選択と柔らかい理想主義の学校選択の葛藤なのか、切磋琢磨なのかわからないが、行方である。
 
☆しかし、それは私事の自己決定である。市場の動向を見守るしかない。
 
☆さて、各学校組織の4つの要素のリストについては、12月の統一合判のときに、公表するかどうか迷っている。すでに公表しているテトラ教育力は、結局この4つの要素を10の要素で出しているので、そちらの方がもっと学校の特徴がはっきりするからである。
 
☆あくまで、この4つの要素は、市場の動向をざっくりみるためのカテゴリーに過ぎないのではないかと思っているということもある。

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