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自己肯定感の捉え方

☆ある高校で、カリキュラムマネジメントシステムづくりのお手伝いをさせて頂いているが、その質的リサーチをしている過程で、自己肯定感が高いか低いかの判断は、そう簡単でないことに改めて気づいた。
 
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☆実に興味深いのは、自己肯定感が高いか・低いか・どちらでもないかのアンケートで、低いと回答したからと言って、その理由について書いている自由記述を読んでいくと、必ずしもネガティブではない。むしろ、冷静に自己肯定感は低いから、高めるためにもっとオープンマインドになろう、そのためには勇気を出して頑張ると自分にエールを送っているものもあった。

☆逆に高いと回答しているのだが、万能感が全開で、それは自己肯定感が高いというのではなくて、他者否定感の裏返しではないかと思われる記述もあった。もちろん、記述がどこまで本当のところを書いているのかわからない。対話をしてみても、実のところという場合もある。

☆それはともあれ、そんなわけで、肯定感が高い低いという集計をしながらも、自由記述の分類をしてみて、上記の図のような分け方ができるかもしれないと仮説を立ててみた。

☆自己肯定感が高いと回答した生徒の中には、他者と協働する自分を見つめている生徒がいる。その場合、自分の役割を試行錯誤型の行動で遂行するのか、成果主義的な行動で遂行するのか分かれた。

☆自己肯定感が低いと回答した生徒の多くは、他者と比較して、コンプレックスを感じている場合が多いが、成果主義的な場合は、自分は達成することができないから自信がないというものが多かった。

☆一方、試行錯誤型の行動をする生徒は、長いものに巻かれろという自分を見つめて自己肯定感が低いとリフレクションする記述が多かった。

☆それにしても、自分のことについてきちんと表現できること自体、実は自分の存在を大切にしている証拠ではないか。ある生徒は、このように自分たちは感じ考えることができるのだから、自己肯定感が高いか低いかはあまり重要ではなく、自分が何者であるかをストレートに聞いてほしいと。

☆なるほど、この解答に遭遇できて、この問いをこの時期にあえて投げかけてみたその学校の教師は、間接的手法で哲学的刺激を仕掛けたのだなと、改めて感じ入った。

☆一つの問いが、生徒一人ひとりが自分に向かい合う場を形成する。タブレットやPCを媒介に、全員が一堂に会して黙々とリフレクションし、キーボードをたたいていく。

☆問いかける先生。瞬時に回答が回収されるので、同時にデータ分析をしていく先生。生徒一人一人の思いの想いを読み、成長を支援するプログラムを仕掛けていく先生。学習する組織が形成されている。

☆なるほど、学校も自己変容型知性を拡張する時代がやってきた。

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