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開智=柔らかい理想主義vs栄東=無意識の破格の理想主義 

☆埼玉の私立中高一貫校は、今年も開智VS栄東。さて、どちらに軍配があがるのか?いずれにしても、しのぎを大いに削ってほしい。というのは、両校は新しい教育の方法論あるいは価値意識の違いによって、競い合うのであって、そういう意味では、新しい教育の共創的競争になるからだ。
 
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(開智の探究活動とプレゼンテーション。同校サイトから)
 
 
☆開智は「探究」、栄東は「アクティブラーニング」。言葉が違うだけで、これだけでは違いはわかりにくい。そこでこんな修飾語をつけてみるので、違いをイメージしてほしい。
 
☆「アカデミックな探求」VS「芸術的なアクティブラーニング」としたらどうだろうか。
 
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(アートディレクションまでやってのける栄東のアクティブラーニング。同校サイトから)
 
☆開智は、学問的な地平で探究活動を行う。一方栄東は、STEAM教育の地平でアクティブラーニングを行う。
 
☆開智は、探究と大学進学実績を直結させるが、栄東はアクティブラーニングと大学進学実績の指導については分断する。
 
☆それゆえ、栄東は、柔らかい現実主義だと塾業界には思われている。従来と変わらない受験勉強とアクティブラーニングの講座は関係性はない。それゆえ、東大に行くための受験勉強の気晴らしにとしては、アクティブラーニングなるものは、あってもよいのではないかと。栄東は21世紀型教育のマスクをかぶった超20世紀型教育なのだと。
 
☆一方、開智は21世紀型教育を一貫して徹底して追求しようとしている。真田丸よろしく、日本橋に開智日本橋まで出して、しかもIBのプログラムを導入しようとしている。
 
☆しかし、IBのプログラムを入れる21世紀型教育で学問的なプログラムといえば、どうしてもカントやデューイのような基礎学問がベースになってしまう。
 
☆ところが、栄東のアクティブラーニングの講座は、空想を科学したり、幾何の世界に浸ったり(要するにニュートンのプリンピキア発想)、アートディレクションなど学問の範囲を逸脱してしまう。それゆえ、受験市場では、そこはお遊びだと認識され、東大コースをきっちりもっているところが評価される。もし、東大コースを持っていなければお遊びをやっている21世紀型教育校として、人気は出なかったであろう。
 
☆なかなかしたたかだだが、このみんながお遊びだと認識する芸術的なアクティブラーニングこそ最先端の学びである。おそらく日本の学問の世界で、この「不確かなリアリズム」という新しい欧米の哲学はまだ理解されていないから、なかなか難しいが、栄東としては東大で生徒を集めて、入学してきたら、もっと新しい思考方法「思弁的実在論=不確かなリアリズム」をいっしょに学べばよいと思っている・・・・。
 
☆いや実際には、そこまで意識していないだろうが、そういう時代の要請する新しい知を直感できる教師が複数いるのだろう。開智が柔らかい理想主義であるならば、栄東は無意識の破格の理想主義だ。
 
☆どちらに軍配があがったとしても、埼玉エリアに新しい教育の風が吹くことは間違いない。そして、実はこの拠点が千葉にも飛び火しようとしている。
 
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☆神奈川も関東学院と関東学院六浦によって風が吹き始めていることは確かだ。新しい教育の10,000人市場が出来上がりつつあるが、この動きは、さらに市場拡大の追い風になるはずだ。12月17日(日)、その風をぜひ感じていただきたい。

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