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三田国際 STEAMを盛り込んだ授業革命

☆多くの学校の教育改革は、かなりうまくいかない。なぜなら、自分の授業はできるだけ変えないという教師がやはり多いからだ。
 
☆そこにいくと、三田国際は、教師一人ひとりが自己変容型知性をフル回転させる。もちろん、それができるのは、学習する組織という堅固な土台も同時に造られているからだ。
 
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(美術の授業)
 
 
☆21世紀型教育の肝は、C1英語×PBL×ICT×リベラルアーツの現代化×man for othersという授業革命。ところが、教科の授業にコンパクトにこれを掛け算で埋め込むことができないというのが、たいていの教員の発想だ。
 
☆だから、経営陣も妥協して、掛け算を足し算にする。そうして、授業はせいぜいアクティブラーニングを採用し、ほかはオプションにしてしまう。C1英語は取り出し授業で、本格的PBL授業は総合学習で、ICTは情報教科で、リベラルアーツの現代化は、行事や研修旅行でと。
 
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(国語の授業)
 
☆そうして、21世紀型教育だと語っている学校も多い。パンフレットでみたら、たしかに掛け算も足し算も見分けがつかない。
 
☆しかし、三田国際は、完璧に掛け算だ。美術の時間は、たとえば、私が見学した時は、ピカソの作風は、ご承知のように10変化するのだが、各時代についてプレゼンする授業だった。
 
☆青の時代やバラ色の時代などチームでそれぞれ一つの作風時代を選び、それについて調べて発表する。ただし、表現方法はまるでデモンストレーションビデオのごとき完成度の高い作品を創って発表。
 
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(物理の授業)
 
 
 
☆その時代を表現する絵をデザインし、ストーリーを考え、BGMを背景にはりつけ、そして最後にキャッチコピーを挿入。
 
☆ここにはICTによるテクノロジーが活用されているし、アートとしてのデザイン力(ここでは、アートとデザインは違うという意味ではなく)、ストリーテラーとしての編集力、そしてキャッチコピーというコンセプトづくりなど、STEAM教育と芸術哲学が統合されている。
 
☆この美術の時間に活用されているICTスキルは、すべての教科で活用されている。もちろん、これはSTEAM教育と哲学の基礎プロトタイプだから、各教科でさらに個性的な発展を見せている。STEAM教育と哲学の隠れたキモは、学際的ということだから、この共感連携は実に興味深い。
 
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(数学の授業。美術の授業かと思ったら、ロゴデザインについて数学的アプローチをして考察しているシーン)
 
☆どうりで、どの国語の授業でも、書物や映画のデモンストレーションビデオさながらの動画を編集して評論プレゼンすることが可能なわけである。
 
☆そして、国語だからキャッチコピーが短歌作成に変容するという教科の個性も加わる。
 
☆自分たちの作品にキャッチコピーや短歌をつける行為は、もちろんライティングの編集と共通する高次思考のスキルであり、これが共通していると、それぞれの教科を高次思考のメタファーとしてとらえるメタ認知が幾瀬精される仕掛けが組み込まれているわけだ。
☆相互通行型授業が、今や輻輳思考対話型授業に進化しているわけである。
 
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☆現状では、様々なアプリを活用して動画を作成しているのだが、すでに高1生の中から、アプリを自ら制作してコンクールで優勝している生徒も出ているぐらいだから、プログラミングやオリジナルアプリを創作しながらプレゼンを強化していくことになるだろう。
 
☆大橋学園長と田中教頭にそう語ってみたところ、間髪入れず、「本間さんの予想はすぐに実現しますよ」とお二人は口をそろえて回答された。

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