2017年12月3日首都圏模試「統一合判」レジュメ in 大妻中野(4)
☆しかしながら、教育はまったく独自のものがほとんどなくなっている。OECD/PISAでそこそこがんばっているのに、教育先進国というイメージがない。
☆それはそのPISAの物差しが欧米のもので、そのルールにのって教育が行われているだけだからだ。
☆しかし、実は、明治維新以降の日本の私立学校の教育は、不確実な時代を切り開く人材を輩出する教育を行ってきた。明治維新という封建社会から近代社会に切り替わり、大きく世界に影響を与える人材を。
☆もちろん、欧米の教育をたくさん輸入したが、そこに江戸時代に培ってきた学びの素養を混入させた。その混入度合いが、まだ残っているのは、私立学校なのだが、だいぶ公立化している私学も多くなってきている。
☆そんな中で、21世紀型教育を行う学校が出現した。この学校は、C1英語は当たり前だし、PBL(アクティブラーニングと呼ばれている)も当たり前だし、ICT活用も当たり前だし、STEAMと哲学を統合したリベラルアーツの現代化も当たり前だ。
☆まったく、欧米教育の輸入ではないかと思うだろう。ところが、そうではないのである。この欧米流の教育というのは実はハードパワーに過ぎない。問題は、このハードを活用して、実施している教育ソフトパワーが重要なのだ。
☆ハードパワーを世界共通のものにしたおかげで、ようやく世界が、特にハーバードが学びに来るであろう日本の教育ソフトパワーを世界とシェアできるようになるということが、21世紀型教育の本意である。
☆江原素六、渋沢栄一、新渡戸稲造、内村鑑三をルーツとする私学の系譜には、彼らが幕臣だったことが関係するが、サムライ資本主義の系譜がチラチラする。道徳と経済の合一説。道徳なき格差を生み出す強欲資本主義とは違う資本主義。
☆このサムライ資本主義の謎を追究すべくハーバードが日本の経済リーダーや日本の企業を研究している。もちろん、その背景にある文化も。
☆教育ソフトパワーのコアはリーダーシップであり、私学の系譜においては、それは武士道と呼んでもよい。ヨーロッパでは騎士道だろう。
☆かつて、新渡戸稲造が英語で武士道を紹介することによって、歴代の米国大統領やエジソンにその精神的影響を与えたように、今C1英語とかPBLによる対話能力、ICTの活用力などによって、日本の格差なき資本主義を創り出すリーダーとそのシステムに学ぶ海外の研究者が多くなっているが、そのとき、そのリーダーが生まれる思春期にやがて注目が集まるのは、必然。
☆もともと、興味は持たれていただろうが、何せ言語の壁があった。しかし、それがなくなる。そのとき、教育インバウンドが起こる。
☆欧米やアジアの心あるファミリーが、自分たちの子供を、そのような環境で学ばせたいと思うだろう。今のところ、言語の壁や授業のスタイルが壁になっている。しかし、21世紀型教育によって、そこが解除される。
☆世界の本物エリート校がそうであるように、日本の21世紀型教育校には、多様な国の子弟が学ぶシーンがどんどん増える。
☆そのような環境が、どんなに重要か、推して知るべしである。そして、そこで学んだ外国人も日本人も、もはや日本の大学に限らず、世界が学問の拠点になる。ハーバードに行きたければ、そうすればよい。東大に行きたければそうすればよい。
☆このような動きが、加速しているのが、21世紀型教育校である。多くの受験生や保護者が、自分の経験してきた学校のイメージとは全く違う新しい景色を目にするのは、2018年からだ。今はまだまったくアピールされていない。
☆なぜなら、本格的に一気呵成に動くのは2020年からだから、今は大騒ぎしていないだけだ。とにかく、そこにタイミングを合わせて21世紀型教育校は動いている。たまたま東京オリンピック・パラリンピックや大学入試改革と重なったわけだが、そのような学校はそれが決まる前から準備してきた。
☆しかし、今からその成果は出始めている。21世紀型教育校自身、4年前は、本当にC1英語を目指せるのか、PBLができるのか、ICTを活用できるのか、リベラルアーツができるのか、不安もあった。
☆ところが、今では、それらは当たり前になった。そして、世界を変えることができるリーダーを育成する使命を、引き受けることこそ21世紀型教育の魂なのだという気概を持っている。
☆大きな時代の変化が目に見えるとき、実はその変化はその前から準備されている。その準備期に、変化を選択できる高感度な感性が、未来を創るリーダーを生む。そのリーダーを生む環境に学びたいと世界から注目される日も近い。そこを見逃してはもったないと思うのだが、いかがだろうか。
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