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2018年首都圏中学入試 生徒募集動向を考える(10)100周年を迎えた新たな成城学園

☆2017年もあとわずかであるが、今年100周年を迎えた成城学園のことは注目しておきたい。昨年記念事業の一環として新校舎が建設された。100周年に相応しい、伝統と革新のインパクトある繊細で大胆な校舎である。
 
☆中学入試の志望者数も前年対比増である。来春入試でも、人気の学園であることに変わりはない。
 
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(写真は、同学園サイトから)
 
☆この人気は、しかしながら、新校舎ができたからということだけでないことは言うまでもない。では。それは何なのか?
 
 
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同学園のサイトの施設紹介のページに入ってもらえれば、すぐにわかるが、伝統と革新を学びの空間でシンボライズしているからなのである。多様な真理を学ぶ「教室」、アイデアを生み出す「芸術棟」、それはまたSTEAM教育のアートを担ってもいる。
 
☆STEAM教育に欠かせないサイエンスゾーン、そして学び方を学ぶアクティブラーニングゾーン、国際性や英語4技能の力を養うグローバルゾーンなど明快にシンボル化されているのである。
 
☆このカタチに表現することによって、理念の現代化が行われているわけであり、理念と教育実践の現代化によって、100周年を迎えた成城学園が、伝統と革新の統合を新たに行うとしている意志が、受験生や保護者に共感を響かせていることは確かだろう。
 
☆しかしながら、問題はこのような象徴化がなぜできたのかなのである。デザインを生み出すメタコンセプトがなければそれはできない。
 
 
――改革によって、どんな力をつけさせたいですか?
 
渡 ビジネス社会や経済界での経験から、いくら組織や制度をつくっても、実行する能力が伴わないと実現できないということを痛感しました。そしてそうした能力を養うのは、学校教育なのだということも知りました。多様化し、混とんとしたこの社会を引っ張っていくには、変えていく力、変革を実行していく力を持つ必要があります。そのためには、ビジョン構築力、実行力、国際対応力が不可欠です。私自身、そうしたことを常に念頭にビジネス社会を生きてきたところがあります。
 
――その3つの力をどのように養いますか。
 
渡 今、学園を上げて教育改革に取り組んでいます。その柱は、情操教養教育、国際化教育、理数系教育の3つです。情操教養教育というのは、幅広い知識を身につけるということです。とくに自国の文化や歴史とともに、海外の国の文化や歴史も知ることを重視しています。そうした教養がなければ、グローバルな舞台で豊かな対話などできませんからね。一方、国際化教育というのは、コミュニケーション能力、ディベート能力の強化で、具体的には幼稚園から英語教育に力を入れます。高校を卒業するころには一通り英語が話せるレベルになっていることを目指します。
 
――理数系教育というと、工学部を創設されるのでしょうか。
 
渡 そうではなく、要は論理的思考力を養おうということです。人を説得し、リードしていくためには理数的な論理で裏付けられていることが必要です。そういう意味での理数系教育です。
 
変えていく力、変革を実行していく力を持つために、ビジョン構築力、実行力、国際対応力が不可欠であるというメタコンセプトに基づいて、情操教養教育、国際化教育、理数系教育という教育コンセプトが出来上がっていた。
 
☆そして、その教育コンセプトに従って、新校舎デザインが派出していたのである。
 
☆特に、理数系教育というのは、工学部というモノベースではなく、数学的哲学思考というメタベースなのである。
 
☆メタコンセプト―コンセプト―デザインそして数学的哲学思考というメタベースが循環している壮大な知のコードが成城学園には存在しているということであろう。
 
☆21世紀型教育機構のセミナーで、成城大学の副学長(教育イノベーションセンター長・経済学部教授)の杉本義行先生と同学園中高の入試広報部主任の青柳圭子先生、OBで株式会社広宣社の鈴木淳司氏にお会いして、お話を聞けるチャンスがあった。
 
☆1926(大正15)年、成城高等学校(旧制)の第1回入学式において、創設者澤柳政太郎は、「人生は真善美を理想とするといわれるが、学校は真理行われ道徳が通り、また美的の所でありたい」と訓示したとぃうが、その真善美という暗黙知化した伝統を、再びいったん形式知化し、学園全体・OBOG全体で共有しようというお話だった。
 
☆そうすることによって、はじめて、広く深く、国内外に、≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫を統合しようとした近代日本の代表的私学人の澤柳政太郎の精神を共有できる。
 
☆政財官学と私立学校の両方に紆余曲折しながらも、真善美(カント的のみならず仏教的世界も含めて)を教育に適用させられる澤柳ルネサンスは、子供たちの未来に必要な大きな教育世界を生み出すことだろう。
 
☆今、この真善美をめぐるカント哲学や仏教哲学に共通するマインドフルネスは、世界中で注目されているぐらいだからである。
 
☆そんなことを感じないではいられない対話だった。
 

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