2018年首都圏中学入試 生徒募集動向を考える(4)跡見、鴎友、学習院女子、三輪田、田園調布学園、大妻、共立、吉祥女子
☆跡見、三輪田、共立女子は、入試改革を行い、大学合格実績にも力を入れている。人気がアップするわかりやすいセオリーで戦略を立てて好循環を生んでいる。
☆田園調布学園は、基本は大学合格実績を出す戦術なのだろうが、戦略的には2020年大学入試改革に対応した新しい学びにシフトしようとしている。新しい学びに関しては、しかしながら、中学入試市場はまだ受け入れないのではないかという気遣いをしている。
☆こういった学校は、結局中学入試市場の従来型の受験生・保護者がターゲットになるざるを得ないから、学内が新しい学びへシフトすることはなかなか難しい。東京オリンピック・パラリンピックで、いろいろなことが世の中思い知ることになる。
☆すでにモノづくりジャパンの驕りという事態が、日々のニュースで騒がれ始めた。相撲でもそうだ。抑圧、権威、ハードパワーは転機を迎えている。その古い体制を支えてきたのが、学歴社会に加担した教育だ。
☆ソフトパワーへシフトしようという改革に反論しているのは、保守的な利権防衛の層である。この層が、2020年以降、このままでいられるのかどうかは、ある程度みな予想できているはずである。
☆学習院女子、大妻、吉祥女子は、大学合格実績輩出教育が受け入れらていて人気。ある意味ミニ桜蔭なのだが、決定的に違うことは、桜蔭は多様な上級国家資格取得キャリアデザインを描いている多くの生徒がいる。
☆学歴社会路線というのは、この上級国家資格取得キャリアデザインであれば、よいわるいは、別にして矛盾しない。
☆しかし、そうでないのに、学歴社会の階層構造の上をねらうキャリアデザイン教育をするのは、どうなのだろう?そこにクリティカルシンキングがない教育。今は気づかれないが、2020年以降、その責任は問われることになろう。
☆その責任を自ら背負っているのが鴎友学園女子だ。プラクティカルに大学合格実績も輩出し、同時に創造的才能育成教育も行っている。もっとも、鴎友学園女子が市場でインパクトを与え、新しい価値を牽引するには、もっと大学合格実績を輩出する逆説的な戦術も必要であるが。
☆いずれにしても、現状の中学入試市場のシェアは、古い価値と新しい価値は75%vs25%である。古い価値で桜蔭という勝ち馬に乗るかあるいは後追いするか、それとも、新しい価値を生む教育を牽引するか、学校経営陣は、悩むところである。
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