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國學院大學久我山 次のステージへ(1)

☆来春から、國學院大學久我山(以降「國學院久我山」と表記)は、女子部のクラス編成をSTクラスとCCクラスとする。今までの一般クラスのカリキュラムを新しいグローバル教育の内容に転換するので、名前も「CCクラス(Cultural Communication Class)」と変更するようだ。
 
☆CCクラスの新設は、STクラスが開設されて10年目を迎える節目であるから、次のステージへ新たな出発をする意味が込められているのかと思っていたが、どうやらそんな単純なものではないようだ。國學院久我山学校長の今井寛人先生にインタビューする機会を頂いた。
 
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☆國學院久我山は、STクラス設置の効果、別学システムの成果が実り、今では東大をはじめとする国公立大学及び早慶レベルの私立大学の実績は、受験市場から高い評価を得ている。
 
☆何より、在校生も卒業生も、教師を尊重し、友情を育める場所であり、自分の宝物を見つけることができる場所であると語る。明るく真面目で、文武両道に励む生徒であふれている。それゆえ、生徒募集も盤石である。
 
☆おそらく、改革とかリフォメーションとかいう組織変容をしなくても、大丈夫ではないかと、外から見ていて思うのだが、来春のCCクラス設置は、かなり大胆な教育内容なので、なにゆえそこまでする必要があるのか不思議に思い、今井寛人先生を訪ねたのである。
 
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☆たしかに、私立学校は毎年何かしら変わっている。全く変わらない私立学校は、大学実績がでていても、生徒募集で苦戦を強いられるということもある。
 
☆時代の変化も激しいし、保護者の世代やデジタルネイティブである生徒の世代は、今までと同じような価値観を持っているわけではない。そのため、変えるべきところは変え、不変のところは持続可能性を求めるやり方で、学校を経営し、教育の内容を部分的にあるいは全面的に変えたりしている。
 
☆しかし、國學院久我山は、時代が変化したから、それに対応すべく教育内容を変更するという発想ではない。今井先生に話を伺っていると、30年前から先生ご自身が行ってきた教育の中に、すでに論理必然的に内的なシステムが柔軟に変わる仕掛けが埋め込まれていたということなのではないかと感じ入る。
 
☆もちろん、外部環境の変化をしっかりとリサーチされているが、その変化が何を意味しているのかを了解する方法は、学校の内部の教育システムの柔軟性があるからこそ可能であり、時代精神を國學院久我山独自の理解ができているところが、他校とは大きく違うところだろ感じた。
 
☆どこの学校も予測不能な時代の激変の凄まじさを語るが、その理解は、文科省、大学、メディアがすでに論じているステレオタイプな物言いが多い。
 
☆しかし、今井先生の語りは、教師時代も、教頭時代も、現在の校長という地位に就かれている時も、日々行われている同僚や生徒とのインタラクティブなコミュニケーションを通して、よりよい学びや教育の創意工夫とは何か、よりよい人間をいかに形成するのかという絶え間ぬアイデアの追究から生まれてくる言葉ばかりなのである。
 
☆しばらくの間、國學院久我山の教育について、今井先生の言葉に耳を傾けながら思い巡らしてみたい。

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